カトリックとプロテスタント

2006-04-03 20:36:58 | 宗教分析
ずっと前に『日本人はなぜ無宗教なのか』を読んでいたところ、カトリックとプロテスタントがどう違うのかわからない学生について言及し、そのことへの驚きと(多少の)呆れを表明していた。

ただ単に著者の授業を受けている学生としか説明がなかったので、その人がいかなる立場(専門、学年など)にいたかはよくわからないけれども、「カトリックとプロテスタントの違いがわからない」という人はむしろ一般的だと思う(ミッション系に通っている人でもどれだけ知っているのだろう?)。というか、そんな疑問さえ考えたことのなかった人すら結構いるではないか。

こんなこと書いていると、私自身は知っていて、知らない人をバカにしているように取られるかもしれないのであらかじめ言っておくと、私も詳しいことはよく知らない(笑)今の知識は神父―牧師、妻帯、教会への帰属の強弱、とかその程度にすぎない(いずれ勉強しなければならないと思っているけど)。じゃあ何でこんなこと書いてるのかって言うと、著者が批判的に書いてることに対し「そりゃ当たり前なんじゃねーの?」と反感を覚えているからだ。

だいたい世界規模で見ても、両者の違いを理解している非キリスト教徒ってどれだけいるの?と思う。たぶん知らない人が大半じゃないだろうか。そもそも、あまりに実生活からかけ離れているので、知る必要が無いというのも大きい。

日本の場合で考えると、ニュースなどでかろうじて触れうるとしても、せいぜいがアメリカの選挙において、候補者の宗派が各地域の支持を取り付ける際、重要な目安・戦略になるとかその程度だ(いやそれすら、「~地方は…支持」程度の報道に留まる場合が多いわけだが)。これに加え日本人には宗教アレルギーが多い。さらに言えば、知識として習う機会もない。高校の世界史では、ルターやカルヴァンといった人名、あるいはアングリカン・チャーチやゴイセン、プレスビテリアンなどの用語が出てきて覚えさせられるが、「両宗派は端的に言ってどう違うの?」という最も根本的で肝心なことは教わらない。そんな状態で大学に行くと、待ち受けているのは「そんなもん知ってて当然」と考えている講師や教授たちである。というわけで、よほど自分から知ろうと思わない限りは両者の違いなど知らないままであるのが当然という状況が生まれることになる。

以上の理由から、例えば韓国でキリスト教徒が多いのを知らなかったりするのは、隣国でもあるし知識不足という批判もありえるかもしれないけど、カトリックとプロテスタントの違いを知らないという状態は必然的なものであると言えるだろう。
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