美麗な景色も、ずっと眺めていると情景自体への感銘より徐々に連想ゲームの材料と化してくるものである。例えばこの角度からの見え方なら、あたかも素朴な里山を見ているのようで、そこからは往時の傑作「腐り姫」の曲を思い出した。
遥かさと儚さを思わせる「腐り姫の伝説」は言うまでもなく、光射す明るい森を連想させる「翠の森」、そして闇夜に惑う心を表象したような「たそがれ月」などが頭の中でリフレーンする(曲自体で言えば「鬼哭街」や「沙耶の唄」も極めて素晴らしいんだけど、聞いていると自身が融解して情景に溶け込んでしまいそうな心持ちになるのは「腐り姫」ぐらいだと思う)。
青々として木と紅葉のコントラスト、あるいは紅葉のみで占められた景色、どちらも素晴らしい。
この青々とした湖面を見ていたら、今度は
「海に降る雨」が思い出された。終焉の時に己の来し方が頭をよぎり、万感の思いを抱く・・・そんな場面に相応しい曲だなあ。
そして再びダムが見えた時、今度自分の頭に浮かんだのは「殺人事件」だった(「L5」の方ではない)。「終焉」ってそっちかーい!て話だが、まあこの景色は何とはなしに「犬神家の一族」の「愛のバラード」を思い起こさせるんよねえ(時代的にはかみ合わないが、曲の入りがどこか美しい水面を思わせるのは自分だけだろうか?)。
こうやって美しい景色=非日常を堪能しながら、古い記憶を掘り起こしたり、あるいは古い記憶を元に眼前の情景をより深く味わう、また愉しからずや。
というわけで、傾きつつある日を横目に歩みを進めるのであった。
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