五島遠征記:井持浦教会

2023-06-10 16:38:24 | 離島旅行

 

福江島西部にある海岸沿いの道を南下し、南西部の突き出た箇所にある井持浦教会に到着。

 

 

 

 

ここは日本最古のルルドでも知られた場所である。ところで、ルルドと言えば私が思い出すのは映画「ルルドの泉」だ。

 

 

 

 

図式的な見方では、絶対他力的発想で現世利益を追及する日本に対し(まあ禅宗もあるしそれは正しくないのだけど)、欧米は厳しい神との契約関係やその履行を通じた来世での救済を重視することが強調されがちだが、キリスト教の始まりにはイエスの病気直しなどもあったように、現世における救いを求めての行動は欧米でも広く観察されるものだ(贖宥状とそれにまつわる宗教改革のうねりも想起したい。あるいはそうして生まれた近代以降のキリスト教[というかプロテスタント]のイメージが刷り込まれている、と言うべきか。なお、偶像崇拝に対してより厳しいイスラームでも、イブラヒーム伝説であったり、ナクシュバンディー教団とその導師崇敬のように、聖者崇拝は地域性こそあれど、そこかしこに見られる行為である)。

 

そのような実態を改めて認識させてくれたのがこの映画だったが、作中での救済が全くの偶然性に基づいており、何らの説明もないあたりは、ある種『ヨブ記』的なものを感じたものだ。

 

 

 

 

なんてことを思い出しながら、教会の周囲を歩く(例によって堂内は撮影禁止なので写真はなし)。木製の椅子に白の壁と赤のカーペットで構成された、簡素なのだけど清潔さと明るさがあり、そしてアンティークな雰囲気も感じる内装は、とても好感が持てるものであった。

 

 

 

 

 

町を見下ろした時の景色。
観光地ではなく共同体の一部として造られたこともあってか、存在感はあるけどコミュニティと一体化している様が何とも不思議な印象を与えるんだよなあ(半泊教会なども同様)。

 

その意味では、函館で正教会をいつくか巡った時(まだ記事にはできてない)とはまた違った感じを受けるが、この「コミュニティと宗教施設」という視点は今後あれこれ観察する時にもっと意識してもよさそうだと思った。


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