昨日ホロライブの新グループ結成(ホリゾンタル・ReGLOSS)の取り組みが会社の状況的に必然的なものだと書いたが、一通り初配信を見て、想定を遥かに超えるはっちゃけぶりとキャラクターの濃さで驚いた。
火威青の「クールな見た目とPONのギャップ」はまあ予想通りとしても(龍ヶ崎リンかw)、小動物系の大人しそうなビジュアルでいきなりアグレッシブなネタ(クイズの答えが全部ウソ+煽りつきw)をぶっ込みまくる音乃瀬奏、能面で予想はしてたが自由すぎてもはや初配信に見えない儒烏風亭らでん(むっちゃ多芸多才そう)、番長を名乗ってるのに活舌弱々でイキり赤ちゃん(どっかの酒コアラかw)にしか見えない轟はじめといった具合に、まあ爪痕しか残らん初配信だったこと🤣
ただ、この驚きを通じて、自分がこの時代に音楽グループとしてのし上がっていく戦略とその厳しさをあまり理解していなかったことに気付いた。
言うまでもないことだけど、音楽に限っても現時点ですでに有り余るだけのコンテンツがこの世界には存在しており、日々様々な楽曲がリリースされているのはもちろん、アーカイブも整備されているので、例えば自分の例で言えば、前にカラオケで知った杉山清貴&オメガトライブ(結成は40年前!)の「SUMMER SUSPISION」や「君の瞳はマリンブルー」なども即座にアクセスすることができる。そしてまだ可能性は未知数なれど、これからAIによる楽曲作成も進展していくことだろう。
要するに、競合が過去から未来にかけて無尽蔵に増えていく中で、「いい楽曲を作りさえすれば売れる」などというのは幻想にすぎない状態になっていると言える。
ならばその大海の中で認知の壁を突き抜けるには何が必要かというと、月並みな話だが「クリエイターへの距離感の近さ」ではないだろうか。つまり、「あの人が歌っているものだから聞いてみよう」という消費者心理で、Vtuberという二次元と三次元の中間にいるがゆえに生まれる距離感の近さも、ここでは大きな武器になるだろう(逆にそうでないなら、Vtuberとして、あるいはVtuberの音楽グループとして楽曲を売り出すメリットがないとも言える。なお、距離感の近さを重要視するという手法は、リアルだとAKBの手法が最もわかりやすい)。
このように、言わば「コンテンツと同じくらいコミュニケーションが大事」な状況において、ホロライブという有名グループからのデビューは初速でこそ知名度がかなりブーストされ認知されやすいが(冒頭の切り抜きにもあるように、諸先輩方が初配信を同時視聴するという形で援護射撃をしていることに注目したい)、その後も継続的に聞いてもらい続けるには、強烈なキャラクター性を前面に押し出し魅力を感じてもらうことが必要不可欠である(これは逆に言えば、そのような役割を求め続けられると表現することもでき、Vtuberとしてデビューした人が認知度を獲得し、そこからリアルでの活動の足場を作った上でそちらへ軸足を移すために引退する、といったにじさんじのメリッサのようなケースも生じる理由の一つだろう)。
こういう理解を元に初配信を見返した時に、まさにこういった視聴者の記憶に残るものとなっており、コメントに「音楽グループとしてクールな方向性でいくのかと思ったけど、全員無事ホロライブだったw」という趣旨のものがあったことは、その成功を端的に示しているように思うのである。
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