ホロライブがゲーム企画の「ホリゾンタル」や音楽グループ「ReGLOSS」を作ったことについて、ホロライブの拡大戦略とその必然性として記事を書いたが、これについてholoxのラプラス・ダークネスが興味深い分析をしていたので紹介したい。
色々な予防線を張った上ではあるが、K-POP的アプローチと(特に)若年層女子の新規開拓と述べており、これには「やられたー!」と思った。火威青のビジュアル(どう見てもポケモンのチリ路線w)からこれまでにない女性ファン層の開拓狙いはさすがにわかったけど、確かに音乃瀬奏が韓国語に堪能で、かつ轟ひびきがKPOPとダンスに初配信で明確に言及してた時点で気付くべきだったなこれは、
「コンテンツが氾濫している時代には、良質なコンテンツを生み出すだけでなく、そもそもクリエイターに親近感を持ってもらうこと=強烈なキャラクター性で認知してもらうことが戦略的に重要で、その点Vtuberというあり方は有効な手段」みたいな一般的な話まではしたけど、その「親近感」を持ってもらう具体的戦略の分析は曖昧なままでしたわ。うーん、さすラプ(何目線だ)w
なお、ReGLOSSの5人とも共通してファンタジー要素がないのはホロライブ本家との差別化を明確化する意図としてわかりやすかったが、「ファンタジー要素はない方が非オタク向けには良い」という動画のコメントがあったのは、自分にあまりない視点だったので新鮮だった(それがどこまで妥当な市場分析かは一旦置くとして)。
ところで、このラプラス・ダークネスを総帥とするholoxは、それまでのホロライブメンバー(~5期生)と違い、みな「ホロライブのオタク」という点が共通しているように思う。これはもちろん、それだけホロライブの認知度が上がったという背景もあるだろうが、「既存のメンバーに憧れた後輩が組織に新たな熱量をもたらす」という効果もあるし、今回のラプラスのように、同時視聴をしていた星街すいせい×さくらみこ(micomet)や猫又おかゆ×戌神ころね(おかころ)たちとは違った形で、自分の持ち味を活かした援護射撃もできるという訳である。
特にラプラスの場合は言語化能力が非常に高いので、(それ自体は典型的な「オタク語り」なのだけれども)会社の戦略を分析して新しいグループの存在意義・価値を示すということを通じて、「ホロライブ本家とはカラーが違う=ハブられてかわいそう」といったような杞憂民たちの諸々の発言(それは結局相手をやり辛くさせるだけなのだが)に対するカウンターとしてもそれなりに有効だったのではないだろうか。
まあそういう反応は織り込み済みだからこその、ReGLOSS5人揃っての配信で行われた既存のホロメンも巻き込んだ「ミリ知ら」アンケートなのだろうし、また前述のホロメンによる同時視聴なのだろうけど。というか、そもそもホロライブ本家とカラーが違うからこその別グループ結成なんだし、逆に言えば、別グループだからこそ、彼女たちのあり様がホロライブ全体の方針転換を意味しないということは予測できると思うのだが。
だから、今回の新プロジェクトの捉え方についてもう前と同じ喩えをもう一度出すと、「行き付けのラーメン屋が別で寿司屋を始めた」ようなものである(そしてラーメン屋の方はちゃんと今まで通りやりますよって話)。そのラーメン屋が行きつけだからといって、その寿司屋へ行くことは別に強制されん訳だし、どっしり構えておけばええんちゃんか?って話である。
【余談】
老婆心ながら言っておけば、一般的な話として、ラプラスが言及していたような杞憂民は、主語を明確化すること&主語をはき違えないことが重要だと思う。すなわち、「私は、ReGLOSSが今までと違うカラーのグループなので、自分に合うかはわからないと思って不安に感じている」といった具合だ(これは「あなたのためを思ってやっている」という毒親の発言とも似ていて、叶姉妹ではないが「自分のために生きてください」という話である)。そこを曖昧にして、ただ「本当に成功するのか?」みたいな物言いは、結局相手のモチベーションを下げるだけにしかならないだろう(「自分は興味ない」「自分には合わない」と公言するのはもちろん個人の自由なんでね)。
これは一部「誤読の自由と読解力の話」などにも関わってくるが、また別の機会に触れることとしたい。
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