結局、一緒に行ったトルコ人一人と店側の人間が同行する形でタクシーで移動することに。暗証番号は間違ってないにも関わらず通信不良(?)で金を下ろせないことが何度かあったが、最終的に大石は2億5千万トルコリラ(200ドル強)を下ろすことができ、店側はその値段で手を打った(赤坂に言わせれば、このように金額をどんどん下げること自体怪しいんだそうだ)。
だが、ホテルに戻ってクレカを回収した赤坂の方は、予想通り暗証番号の間違いで金を下ろすことができず、窮地に追い込まれることになった。というのも、大石のクレカが引き出し限界金額に到達したらしく、それ以上金を下ろせなくなってしまったからだ。当然、店に戻った赤坂は「どうやって払うんだ?」と詰め寄られる形になる(正確には知り合ったトルコ人がそれを問い詰めてきたそうで、それもグルだという根拠なのだと言う)。少し考え、彼は同行した(=詰め寄ってきた)トルコ人に立て替えてもらうことにした。無いものは払いようがないからだ。
ホテルへ帰るタクシー内で「本当に払える金額はあれで全部だったのか?」という話になり、部屋で調べてみてくれと言われた。赤坂は正真正銘の無一文になっていたので、大石の部屋に行き持ち金を聞くと、およそ2万7千円+20ドルくらいあるということだった。だが、それでも300ドルには足りない。さてどうするかと考えていると、トルコ人二人は夜も遅いので自分達のホテルに戻ると言ってきた。時計を見ると12時半。明日朝9時半に公園で待ってるのから、そこで話し合おうと言われ、状況的制約から受諾した。
とりあえず目の前の難局を脱した(?)二人は、作戦会議を開くことに。結論としては、①有り金で拝み倒す、②大使館で借りる、の二つになった。「逃げる」という案も出たが、良心の呵責と面倒さから流すカタチになった。結局、最初①でいき、ダメなら②を実行するという策に落ち着いた。行動予定が決まった二人は朝8時に下で会う約束をして別れ、それぞれの部屋へ。赤坂はラクでクラクラする頭を鎮めるためシャワーを浴び、泥のような眠りについた。寝た時間は午前四時を回っていたという。(続く)
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