森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

サカキ(ツバキ科)

2006年11月07日 | 自然観察日記
 弥彦神社の境内に植栽されていたものを撮影した。野生では越後にはないと思われる。ヒサカキとは違いこちらは匂いはしない。
 正式な神にささげる木としての「榊」である。本サカキともいう。どういういきさつで利用されるのかは判らないが、神と人の「境木」という意味があるそうである。神道にはうといほうなのでご容赦願いたいが、この木が神に関わって選ばれたことを考えると不思議な気持ちである。
 花はヒサカキよりは大きいが特にツバキ科の他種に比べて見栄えのするものではない。木の姿も地味なもので大木になることはない。そう考えると古人がどこに「神性」を感じたのか興味深いものがある。

ヒサカキ(ツバキ科)

2006年11月07日 | 自然観察日記
 常緑のツバキにヒサカキがある。海岸沿いの山地に普通に生えている。香りというより独特の匂いを発する植物である。越後では神棚に上げる「榊」の代用として利用されて年末年始にはスーパーなど売られている。
 サカキという種があって、関東以西の太平洋側に分布する。越後では神社に植栽されている以外に野生では見ない。そんなこともあってサカキの代用として利用されているものであろう。
 ところで、「ヒサカキ」は「小さくかわいいからところから『姫榊』」から来たという説と「サカキではないとする『非榊』」から来たとする見解があるそうである。