森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

うどんげの花

2006年11月16日 | 自然観察日記
 クサカゲロウの卵である。マユミの葉の裏にいくつか産み付けられていた。これを「優曇華(うどんげ)の花」というのだが、その謂れの詳細はわからない。ただ、「優曇華」とはインドの伝説に出てくる三千年に一度咲くという「吉兆の花」なのだそうで、どうも昔の人がこのクサカゲロウの卵を見て優曇華だと思いこんだことかららしい。
 この仲間に、ウスバカゲロウという種がある。乾いた砂地に住んでいるアリジゴクの主である。子供の頃、この名前を「薄馬鹿下郎」と教えられたのがいつまでたっても頭から消えない。もう一つ面白いことに、このウスバカゲロウはネコと同じくマタタビが大好きだそうでよだれを垂らすかどうか知らないが、夏実をすりつぶしておくと沢山集まってくるそうだ。

マユミ(ニシキギ科)の実

2006年11月16日 | 自然観察日記
 数mの亜高木にはなる樹だが、大きな樹を見たことがあるのは1回だけでほとんど低木。それも庭木としてのものが主である。選抜された品種があって赤い綺麗な実のものが出回っているが、野生のものは写真のような色艶である。しかし、これでも十分楽しめる。花は地味な小さな緑色のもだが実は鈴なりになり賑やかだ。落葉語も実は残るから冬枯れを飾るのにはいいものだ。数mの大きな樹になってこの実を沢山つけたものはそれはそれは見応えがするのは請け合いである。