湿原ばかりでなく尾根道などもこの一帯には実にアヤメが多く自生しています。すでに花の季節は過ぎているのでその景観を目にすることができませんでしたが、葉の多さが花の季節を連想させます。2000mを超す高山帯ということもあって草丈は40~50cm程度で高くなく小ぶりな個体です。葉の幅も狭く、里山の近隣で見かける栽培種とはまるで別物のように感じました。
「いづれ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)・・」。アヤメは花弁の基部が綾目織に似た文様が特徴で、カキツバタは同じ位置に白い線が走ります。ちなみにノハナショウブは黄色い線になります。花が終わった後いっても遅咲きの個体は必ずいるものです。尾根の片隅に一輪咲いていました。しかし、花の色は薄めの青い色。里山の近辺で見る濃紺の種とは印象がまるで違います。経験的に、上州の山地で見るアヤメの花色はこれと同じで薄めの青い色。私の中ではアヤメの色はこの色なのです。あの濃紺のアヤメはどうも馴染めません。