森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハクサンシャクナゲ

2015年07月18日 | 自然観察日記
シャクナゲがありました。ハクサンシャクナゲです。新潟ではまずアズマシャクナゲが出現し、さらに高所にハクサンシャクナゲというおおまかな垂直分布状の住み分けみたいなものを感ずるのですが、ここはハクサンシャクナゲしか見当たりません。海抜2000mの高地ですからハクサンシャクナゲだけでも違和感はありません。まだ、6月下旬ですから花があってもよさそうなのにまだつぼみの状態でした。

ハクサンシャクナゲの病葉

2015年07月18日 | 自然観察日記
白い塊がありましたから、ハクサンシャクナゲの花かと思いきや葉が白くなってまるで花のように見えるのです。結構きれいな色彩をしていて目立ちます。これが、一株だけでなく実に多くのハクサンシャクナゲの個体に見られるのです。近寄ってみれば、正体は葉が水ぶくれのように膨らんで白化しているのです。明らかに病気になっている状態です。

ハクサンシャクナゲの粉もち病

2015年07月18日 | 自然観察日記
ツツジ科の植物には葉が火ぶくれ状になるもち病が多く発生します。これもその一種で粉もち病というのだそうです。罹患した初期は綺麗な色をしていますが、やがて黒変してくるそうです。いろいろなしゃまに登ってきましたが、これほど多くの個体がこのもち病に罹患しているのを見たことがありません。この山域には菌体が居座っていてシャクナゲを食い物にしているというところでしょうか。自然の摂理とはいえ、この状態ではシャクナゲの花は期待できない場所ということになります。