ガレ場が好きなオンタデです。コマクサの原の片隅に自生しています。大きくなれば1m近くにはなるタデですが、ここでは矮性で40cm位の高さでした。オンタデの思い出はなんといっても富士山でしょうか。いまだ富士山の山頂には立ったことがないのですが、五合目まで車で行ってそこから道なき道を登って森林限界から草付を観て植物の生育する最前線を目指したことがありました。傾斜は緩いとはいってもザクザクしたガレ場は一足登るごとに半歩はずり落ちるという具合の登りです。なかなか苦労する登りでした。その最前線にいる植物がオンタデ。まばらに生育する状態ではあっても結構根が深そうでがっちり土地面を捕えていました。荒涼とした景観にオンタデの群落、この種を見るとなぜかあの景色を思い出してしまいます。
火山の荒原にはだいたいオンタデが見られます。阿蘇あたりは分かりませんが中部以北の火山荒原にはまずは定番の先駆植物になっているようです。タデは花は両性花が多いのにこの種は雌雄異株です。雌株は雌花が咲いた後の結実期には赤味ださして結構きれいです。