池の平湿原は少々期待外れとしてもその湿原を取り巻く尾根にはコマクサの中規模な群落が二か所あって、これがここの最大の売りなのかもしれません。まさに花の季節で見ごろ。あいにくのお天気で人影がないのですが、この場所を訪れたときはまずまずの天候でたっぷりと堪能させていただきました。ただ、ロープ柵が張ってあっていささか興ざめなところがあるのですが、こうでもしないと踏み荒らしたり盗掘したりであっという間に消失してしまうのでしょう。近年の山に来る人のマナーの悪さが気になります。
ここは浅間山につながる火山地帯の一角と考えればこのようなガレ場が点在していても不思議ではありません。ほぼコマクサ以外には生育している種が見当たらないほどの格好の生育環境です。ちょうど晴れ間が出てきた時で遠景には千曲川沿いに広がる街並みも見えます。池の平湿原までは車で来れるわけですから、コマクサを見るのにほとんど苦労する必要がない場所といえます。かつて、この花を求めて30kg位のザックを背負って燕岳を目指したことが忘れられません。コマクサは私にとっては高嶺の花。こうも簡単に出会えるとは...。
今まで何度となく花の写真を見ていますから一見すればすぐそれとは分かるものの、花を分解観察したことがないのでその作りが全く分かりません。ものの本によると花弁は4枚で外側の2枚が背で膨れ先端が外側に湾曲していて独特な形状していて、内側の2枚は細長くしべを包むように伸びているという説明です。この花を見て馬を連想できない私がいます。
コマクサは有毒植物で、かつては薬草として大量に採集された時代があったと聞いています。
コマクサは有毒植物で、かつては薬草として大量に採集された時代があったと聞いています。