森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ノギラン

2017年08月02日 | 自然観察日記
ときどき陽が差し込み赤土など地肌がむき出しになっているようなところを好むノギランです。他の草と競合するような場所にはほとんど見かけません。競り合いには弱い種なのでしょう。夏はノギランの花の季節。薄緑色をした花穂が立ち上がっています。もっと色彩がはっきりしていれば注目もされるのでしょうが、周囲の緑色に紛れてなかなか気づかれません。花がない季節はショウジョウバカマと区別がつきにくいのですが、だいたい住む場所が異なりますから見当が付けられます。水はけのよい場所にはショウジョウバカマは住まないのに対してノギランは湿気の多い場所は嫌うようです。

ノギランの花

2017年08月02日 | 自然観察日記
かつての分類(エングラーやクロキストン体系)ではユリ科として扱われていてそれに馴染んでいる身にはノギラン科と言われてもまだシックリきません。APG分類(DNAによる分類体系)によってとにかくかつてのユリ科ほど細分化されたグループはなく、これを理解しないとガイドするにも支障をきたす始末。
栄養が良いとおびただしい数の花が穂状に30cmほどの長さになって付きます。色彩もぼんやりしていることもあり一つ一つの花が重なり合うため印象の薄い花になってしまいます。