森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ツリガネニンジン

2019年10月27日 | 自然観察日記
ツリガネニンジンを見ると高山型とされる変種のハクサンシャジンを思い起こさせます。しかし、三国山にはハクサンシャジンはなくツリガネニンジンが沢山見られました。三国山は1636mの山ですからハクサンシャジンが見られるほどの高山ではないようです。そういえば2・3年前に行った栗駒山(宮城と岩手にまたがる山1626m)は標高は同じようですが北に位置するせいかハクサンシャジンが見られました。

ツリガネニンジンの花

2019年10月27日 | 自然観察日記
すでに花の時期は過ぎていましたから残り花がちらほらです。ツリガネニンジンは低海抜のところにも普通に見られます。丘陵公園の里山フィールドミュージアムにもわずかに自生しています。その個体と比較すると三国山の個体の花が大きいように感じられます。ハクサンシャジンほどの大きさはないにしても高地に生育する個体は花が大きくなる傾向があるのでしょうか。

ハクサンシャジンの果実

2019年10月27日 | 自然観察日記
ほとんどが花の後の果実です。花は大きくハクサンシャジンに近いようでも茎の高さは平地の個体に似て高性です。ツリガネニンジンとハクサンシャジンを考えるときかなり連続的な環境変異が見られますから明確な別種として考えるより大きな集団としてとらえた方が良いようです。

ハクサンシャジンの葉

2019年10月27日 | 自然観察日記
葉は数枚の葉が輪生状に数段付きます。県内の垂直分布は10ⅿほどの低海抜から三国山程度の1500mを超えて分布しています。程度分布範囲が広い種といえるようです。水平分布も一部濃淡が見られるもののほぼ全県的に見られるようです。