森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ミクリ

2021年08月01日 | 自然観察日記

里山の夏は湿地が面白い。今年もまた花を見せてくれたいくつかの種を紹介します。少し重なるものもありますが、今年は今年の顔を見せてくれています。越後丘陵公園の里山フィールドミュージアムの山の水辺くエリアにミクリが顔を出しました。7年ほど前に国による改良工事でヒオウギアヤメなどを植栽したことのある場所ですが、ヨシの生い茂る湿地を改良した場所です。意図的に植栽したものではないので植栽時に紛れ込んだか鳥などが運んだとも考えられますが、埋土種子が発芽生育した可能性もあると考えています。湿地の草に覆われていて植栽したヒオウギアヤメのない場所であり普段歩かない場所ですからミクリが自生しているのを見つけたときには感激し驚きました。自然の復元力というのを垣間見た瞬間でもありました。その環境を作ればかつて生育していた種が復活してくるのではないかと思いました。ミクリは環境省、新潟県ともに準絶滅危惧種(NT)に指定されています。