森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ヤナギラン

2021年08月05日 | 自然観察日記

7月の赤城自然園に行きました。多くの種が自然に近い状態で植栽展示されているのが気に入って何度か訪れている場所ですが7月は初めてです。梅雨が明ける直前で雨の予報もありあまり長居はできない日でした。来園者もパラパラという状態。

高原を模したエリアにヤナギランが開花したばかりでちょっとした景観を作っていました。日本では本州中部以北の亜高山に見られますが世界的にもかなり広い範囲の寒冷地に見られるようです。パイオニア的な性質を持つ種でスキー場など開発したような場所に自然に大きな群落ができています。しかし、土壌が安定し他の植物が生育してくるといつの間にか消えてしまう存在です。攪乱された場所に適応したアカバナ科の多年草です。葉がヤナギの葉に似ていることと花があでやかなのでランにあやかった名前になっています。


ヤナギランの花

2021年08月05日 | 自然観察日記

ヤナギランは両性花で4数性の花です。早落性で4個、おしべは8本、花弁は4枚。花柱は合着し柱頭は4裂していることになっています。咲きだしのころはめしべはまだ伸びてきませんので、この絵では確認できません。


赤城自然園正門

2021年08月05日 | 雑記

赤城自然園は群馬県の赤城山麓に作られているかなり広い自然園です。西武セゾングループの堤清二氏が主導して1980年代に作られたそうです。「本物の自然を知らない現代の子供たちのために、できる限りありのままの自然の状態に計画的に保全と創出によって再編し、自然と肌で接して感動を得る場をつくる」という目標を掲げているそうです(ネットより)。