この種も新潟県内ではまず見られない種です。唯一平標山の中腹で出会ったくらいです。しかし、群馬県や長野県内では深山のところどころに見られました。図鑑などで全国的に分布しているとされるものの中には実は偏りがあるものがけっこうあります。特に三国山脈を境に新潟県内と太平洋側の関係が興味深いものです。新潟県内にあって群馬側にはないとかその逆で群馬側にあって新潟県内にはないなどもあります。オオバショウマは群馬側にあって新潟側にはないというタイプの種になります。
どこかで述べているかもしれませんが、「ショウマ」という名前が付いた種が案外多いのですがその関連性が面白いものです。ベースはサラシナショウマでこの乾燥品が「升麻(ショウマ)」という漢方です。解熱鎮痛などの効果があり珍重されるものです。これを追い求めて葉が似ているものを系統などということを意識せず「ショウマ」と呼ぶようになったことや学問が進みサラシナショウマと類縁の種に「ショウマ」の名前が付けられました。オオバショウマはキンポウゲ科の種で系統的に近いために着いた名前でしょう。葉は似ても似つきません。また、違った理由で「ショウマ」と名付けられたものもありますが、それは別の機会にします。