以前にも取り上げたのですが、今年もまた花を咲かせて売れました。実はこのエゾナミキが見られる湿地は昨年イノシシに酷く荒らされて自生していた場所が大きくえぐられそこに見られたいろいろな植物が無残な状態になって死滅してしまったものも沢山あったのです。そんな中で何とか場所を変えて生き残っていてくれたのを確認してホッとしているというのが実情です。イノシシの被害にあって貴重な種が自生している湿地ということでネットで周囲を囲ってもらいました。ただ地形の問題で完璧に囲うことができていません。そうはいっても今年は今のところ被害は発生していませんから効果があったと考えています。エゾナミキは北海道と青森・長野に自生が確認されているという超レアな種でもちろん絶滅危惧種に指定されています。(環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU))
もともと新潟県には自生していない種ですから新潟県の指定はありません。この種がなぜこの湿地に自生しているのかを追っていくと国によるこの湿地の改良工事をした時にヒオウギアヤメを植栽したときに一緒に種子が付いていたのではと思われます。工事した業者を調べてどこからヒオウギアヤメを仕入れたかを調べたことがあり青森からという回答がありました。
エゾナミキが丘陵公園に自生してよいものかどうか考えさせられますが、見つかって以来6・7年細々と生活していて繁茂して周囲を脅かすようなことにはなっていません。いつか消えてしまう運命かもしれませんが、今は何もせず湿地環境を維持しているにとどめて観察を続けることにしています。