森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ツルアジサイ

2017年09月27日 | 自然観察日記
イワガラミばかりかと思っていたらつるアジサイもありました。しかしやはりここでは少数派。しかし、両種の違いなど学習するにはちょうど良い季節で大いに参考になりました。

オオバボダイジュ

2017年09月26日 | 自然観察日記
シナノキに近い種が同じような場所に自生しています。オオバボダイジュです。シナノキは全国的に自生しているようですが、オオバボダイジュはやや北方系の種と考えら新潟以北に見られます。大木はあるという話ですが、風格のある古木や大木に出会ったことがありません。成長が早いので枯死するのも早い種でしょうか。葉が大きく毛が多いなどでシナノキと区別できます。

オオバボダイジュの葉

2017年09月26日 | 自然観察日記
シナノキに比べ大きさがまるで違います。また毛が多いせいかふさふさとした感じでシナノキの葉のような光沢感はありません。樹皮の繊維は利用できるのだそうですがシナノキほどの丈夫さはないようです。
越後の里山にオオバボダイジュは多く見られますがシナノキはなく、シナノキはある程度の標高の高い場所に行かないと見られません。オオバボダイジュは西日本にはなく中部日本以北から北海道にはよく見られます。分布を考えると興味深いものを感じます。

シナノキ

2017年09月25日 | 自然観察日記
ところどころにシナノキが生育しています。尾根筋には老木・奇木も散見されました。霧に包まれた大木はちょっと幻想的。折れたり曲がったりして風雪に耐えた老木はさらにその風格が増します。登山口から山頂直下まで自生しています。ちょうど花の時期で、雨に濡れた花が垂れ下がっていました。

シナノキの花

2017年09月25日 | 自然観察日記
香りが良い花で手の届く位置に垂れ下がっている枝を引き寄せ確認。雨に打たれながらもシナノキの花の香りを楽しみます。花軸に着くヘラ状の苞はこの仲間のシンボル的な存在。種子を遠くに運ぶための仕組みと説明しています。実際はあまり遠くには運ばれず真下に落下してしまうのですが・・。

シナノキの葉

2017年09月25日 | 自然観察日記
シナノキ属の葉は左右非対称で歪んでいます。葉は完璧な左右対称のものは多くはないと思いますが、このグループの非対称はかなり特異です。なぜなのかと考えても答えは出てきません。シナノキは繊維を取る植物として古くから利用されてきました。シナ布という言葉があるくらいです。皮をはぎ内皮の繊維を利用するとのこと。水に強く丈夫なのでロープにも適しているとか。
シナノキは長野県(信濃)のシンボルで「長野県の木」という話を聞いています。単純に「信濃」とシナノキとが重なることからと思っていましたが、「信濃」は昔「科野」と表し、シナノキを多く産出することから付けられたものとする考えもあるのだそうです。

シラカバ

2017年09月24日 | 自然観察日記
白い幹で誰でも知っている樹です。しかし、ダケカンバが茂る林に入ると案外分からなくなってしまいます。あるいはマカバ(ウダイカンバ)が混ざるとこれも混乱してしまいますが、とにかく肌が白い樹と理解しておくといいようです。しかし、幼木になるとまだ白くないのである程度成長した樹に対しての話です。葉は小型で葉脈はあまり多くありません。1000m程度の標高のところに出てきますからそれも目安です。新潟県内ではそれほど多い樹ではありません。湿雪は苦手のようです。

マカバ(ウダイカンバ)の葉

2017年09月24日 | 自然観察日記
葉の大きさはシラカバの4倍くらい。大きめの葉です。材としては優秀なものだそうで家具や建材に利用されているという話を聞きました。シラカバは健在としてはあまり役に立たないとか。樹液を採集し飲料にするそうでまだしっかり味わっていませんから機会があったら是非試してみたいものです。

カバの樹 二種

2017年09月24日 | 自然観察日記
駐車場に面した林の縁に二種のカバノキが並んで生えていました。比較するのにちょうどいい感じで、これを手本に解説。右の白い樹肌の樹がシラカバ、左の日本の幹がマカバ(ウダイカンバ)です。肌は写真で見るとあまり差がないのですが、実物はそれそれの質感もあって両種の違いを理解できます。

倒木更新の始まり

2017年09月23日 | 自然観察日記
平標山の登山口に駐車場があります。その駐車場を取り巻く林の一角に針葉樹の大木が伏せて朽ちつつある場所がありました。周辺はいくつかの大木が茂りながらも林床は明るく倒木上はかなり苔むしています。その苔むした倒木を見るといくつかの芽生えがあり、まさにこれが倒木更新の始まりを示しているようでした。

倒木更新 クロベの芽生え

2017年09月23日 | 自然観察日記
クロベの芽生えがありました。これでも数年は経っていると思います。周辺の様子では地上に種子が落ちても初が生育できそうな茂り方ですが、苔むした倒木上にポツンと生育している姿が印象的です。

倒木更新 キタゴヨウの幼木

2017年09月23日 | 自然観察日記
クロベ(ネズコ)の実生から少し離れたところにはキタゴヨウの幼植物が育っています。同じ倒木に二種の針葉樹の幼植物が生育しているのが面白く、今後成長するにつれこの二種がどうなっていくのかが知りたいですね。いづれ激しい生存競争が生じてどちらかが選択されるのか、それとも両種が枯死するのか・・。結論が出るまでは長い長い時間が必要となります。

平標のお花畑を歩く

2017年09月22日 | 風景
夏、二度にわたって上信越高原国立公園の三国山脈の一角にある平標山(1983m)に登る機会がありました。地域の理科の先生の夏の研修会の会場になり、私もそのアドバイス役に駆り出され下見と当日の二回登ってきた次第です。一回目は7月25日、二回目は8月4日と一週間の間を置いての登山。天気は一回目は雨と霧、二回目は猛暑とまるで逆。景観もわずか一週間で大きく変わり同じ場所とも思えない状況でした。コシジシモツケを中心にしたお花畑は二回目の登山の景観で、苦労して登ってきた甲斐があろうというもの。
暫くは二度の登山で集めた写真をもとに平標の植物を見ていきたいと思います。

松手山ルートの平標山の山頂尾根

2017年09月22日 | 風景
三国山脈の山に登るのは久しぶりでした。平標山は30年ぶりくらいでしょうか。上信越の山塊は山頂部はなだらかなのですがササが多くあまり高山植物に恵まれていない印象があって、なんでこんな山を研修会の会場にしたのだろうと内心不満を抱いていたのですが、実際はその逆で様々な種に出会い大いに感激した次第です。