森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

コバイケイソウの葉

2017年09月04日 | 自然観察日記
流線型の筋がはっきりしていて丸みのある造形、魅力的な葉です。コバイケイソウの芽吹きの頃は黄緑色をした苞葉に包まれていて地表に現れます。その時の苞葉はすでにないのかもしれませんが、この葉は最近まで花序を包み込んでいた葉の一つでしょう。花序を解き放した後は展葉し光を浴びて光合成をする・・。無駄がないですね。

オニアザミ

2017年09月03日 | 自然観察日記
樹林帯の歩道脇にオニアザミがありました。鋭い棘の葉を持ち頭花がうなだれる姿が特徴です。それほど大きな個体にはならずどれも1㎡を超えることはありません。花の色は赤紫色のいわゆる一般的なアザミの花の色です。なんといっても棘が鋭いのでうかつに触ると必ず痛い目にあいます。山野で見かけるアザミ類ではもっとも棘の鋭い種かもしれません。

オニアザミの頭花

2017年09月03日 | 自然観察日記
アザミは集合花で、それを頭花といいます。この頭花が上を向いているか横を向いているか下を向いているかが一つの分類の目安です。オニアザミは下を向くグループの代表格。主に日本海側の山地などに分布するといわれていますから、新潟の山の尾根筋にはだいたい見られます。本白根山も大きく言えば日本海側の山域で不通にオニアザミが自生しています。

オニアザミの葉

2017年09月03日 | 自然観察日記
深く切れ込んだ葉が整然と並びます。花の季節にも根生葉や下部の葉は付いています。ナンブアザミのように下部の葉が消失するようなことはないようです。

コマクサの群生

2017年09月02日 | 自然観察日記
もともとコマクサの群生があった場所のようですが、戦後著しい盗掘に見舞われ、見かねた地元の有志が盗掘されながらも苗を作り植栽を長年継続していまに至っていると聞きました。広大な面積に大規模なコマクサの群落が作られていますから、当時の努力は並大抵のものではなかったと思います。雄大な景観を背景に一面に生育するコマクサの群落を見れば誰もが圧倒されることでしょう。傾斜の緩い山道をゆっくり歩きながらコマクサの花を愛でて堪能した次第です。

コマクサの花

2017年09月02日 | 自然観察日記
高山のガレ場では何回となくコマクサを見てきました。かなり規模の大きな群落もあれば小規模な場所もありました。その中では、本白根山は最大の規模を誇るのではと思います。大株もあり花数が多く独特の形状をしている花が印象的です。

コマクサの花

2017年09月02日 | 自然観察日記
本白根山のコマクサは「色がとてもいい」という評判です。たしかに、赤い色彩が強い個体で占められています。他の産地ではもっと薄いぼんやりとした桃色の個体が多いのですが、ここはどれも赤紫色のはっきりした個体です。そういえば、この群落は人的に作られた群落というはなしです。自生していたものもあるのでしょうが、意識しなくても「きれいな」個体を選抜して育種し植栽をしたという可能性が大きいように思いました。このあでやかな大群落は自然に形成されたものではなく人為的なものとみると納得もいきますが、少々興ざめもします。

本白根山山頂カール

2017年09月01日 | 風景
芳ヶ平湿原の翌日、本白根山を散策。コマクサの大群落に酔いしれました。山頂付近は火山荒原で概して植物相は貧弱ですが、そこに続く亜高山樹林帯は健在です。火山活動で入山禁止になった白根山ではなく、それより南に位置する本白根山で、しばしば道一視されるか混同されている場所です。滋賀草津道路が規制が解かれ平常の通行ができるようになった機会をとらえて、本白根山も散策して来ました。暫くは本白根山の植物を紹介します。

白根火山ロープウェイ

2017年09月01日 | 風景
本白根山には、約1500mほどの山麓駅からロープウェイで山頂駅(約2000m)まで行きました。(芳ヶ平湿原への起点になるレストハウスから山頂ロープウェイ駅に行くルートもあるようです)

山腹から噴き出す硫黄

2017年09月01日 | 風景
ロープウェイにのってしばらくすると山腹に黄色い硫黄と思われる噴出物が帯状になっている場所を見ることができます。一帯は火山地帯で、風向きによっては硫黄の匂いがすることもあって、ここからも温泉や火山ガスなどが噴き出しているのでしょう。

本白根山の山頂につながる荒原

2017年09月01日 | 風景
カールを望む位置まではシラビソやヒメコマツなどの亜高山帯の針葉樹林帯。しかし、山頂カールを望む一帯は一転して砂礫地で草付きも少なくわずかな草本類やハイマツやヤナギ類などの低木が見られる程度です。