山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

新聞元旦号をやっと読む

2015-01-05 22:31:29 | 意見・所感
 正月恒例にしている新聞各紙の「社説」「トップ記事」を読む。
 ふだん新聞を購入していないので久しぶりの活字との格闘だ。
 
 「産経新聞」は、現状の日本を的確に批判しこれからは「自立・自助」の覚悟が必要だと説く。
 いつものヒステリックさがないのがいい。
 しかし、それには「憲法改正」が必要だという結論には説得力がない。

 「毎日新聞」の社説は、序列で他国を見てきた東アジアの歴史を、「脱・序列思考」からしか信頼はないと指摘。
 総論としてはわかるが踏み込みが欲しい。
 その点では、トップ記事の「再生は国に頼らず」の事例として、長野県下條村と鳥取県智頭町を紹介。
 そのとりくみからの再生の鍵は、「住民自身が汗をかく」「活動の中心の中核層の存在」「知恵がなければ住民から借りる」の3点に絞る。
 この事例記事は、5紙のなかではいちばん説得力がある。

       
 「日本経済新聞」の社説の、日本の現状認識はさすが冷静に分析。
 「戦後70年の統治のかたちづくり」のヒントとして、明治の米エール大学の歴史学者朝河貫一を引用。
 「読者よ、日本国民はその必要の武器たるべき、健全なる国民的反省力を未だ研磨せざるなり」と、日露戦争に浮かれる現状を批判した一文を紹介。なるほど。

                             
 「朝日新聞」の社説は毎日新聞の社説に近いが、グローバル時代の歴史のあり方として「自虐や自尊を超えて」と展開しているが、結論が煮えきれない。
 むしろ、トップ記事で森英恵を例に出し、個のチカラ海外への道を拓いた彼女の歴史が素晴らしい。
 戦争体験をベースにした森英恵の願いは、ファッションこそ究極の平和産業、生きる上でのビタミン剤として結実しているという。

 「読売新聞」は5紙の中ではいちばん長い社説だったが、アベノミクスへのすりよりが甚だしい。
 ジャーナリズムというより、阿部政権の広報紙という内容で饒舌なわりには新鮮さも切れ味もない。
 「正力イズム」はいまだ健在なんだなー。
 トップ記事の「ビットコイン不正操作」は、スクープとして他紙を凌いでいるのが救いかもしれない。
  
コメント
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