なんとか冬越しできた「のらぼう」(アブラナ科)がうまい。耐寒性があるというものの、現実は突風・寒風が手ごわいのだ。生き残ったのは半分ほどだったがほぼ毎日のように食卓にのぼる。味噌汁や胡麻和えが中心だが、小松菜やホウレンソウよりも甘さがある。
シカも味を覚えたようで根元から食べてしまう。せっかく竹マルチやビニールトンネルで防寒していて、それをはずしたばかりなのに。
埼玉・多摩の伝統野菜ではるが意外に知られていない。天明・天保の飢饉のとき、飢餓から救った野菜ということで、あきる野市の子生(コヤス)神社」に「野良坊菜之碑」の記念碑が奉納されているくらいだ。
「のらぼう」は、菜の花の仲間で脇芽が次々出てくるのでけっこう長く栽培できるのも優れているところだ。そのため、近隣にもおすそ分けしている。菜の花のように蕾を食べるだけでなく、シカと同じように葉っぱ自体も食べられ、生命力が強い。冬越えはけっこう苦労したがいまは春の旬を堪能できているのがありがたい。