いただいたエビスグサの種を撒いたのは4年ほど前だろうか。そのとき種を収穫したが、それ以来種を撒かないで放置したままだった。それがいつの間にか、畝と畝の間の農道から芽を出し始めた。そして気がついたときは背丈が1mを越し畑を占拠してしまっていた。雑草をはじめわが畑は古代中国のように群雄割拠のごとく覇権をめぐる葛藤にあふれている。いいや、現代の世界情勢とおんなじかー。人類は成長していないってことかー。
エビスグサの花は小さな黄色だったがその雌しべからぐいぐいと莢が出てきている。そう言えば、ここに種が20個くらいできるんだと思いだす。葉はいかにもマメ科の形をしている。もう無視できないほどの大きさと広さを見せつける。現状はカボチャとエビスグサが領土をめぐって覇権を争っているように見える。
昨年の冬にはその種をハブ茶にしようと、まず種をフライパンでさっと炒めて、それを薬缶でぐつぐつ沸かしていく。おかげで収穫したほとんどをお茶にできて冷たい体を温めてくれた。種は「決明子(ケツメイシ)」という漢方の生薬として、生活習慣病や便通・健胃効果など効能の範囲は広い。後期高齢者間近のオイラは、今年も野生化した生命力をちょっぴりいただいて、生きる望みの引き延ばしを図りたい。