年金だけが頼りのわが家庭経済の事情で、ここ10年は旅行もせず、料亭という名の高級料理屋に行くことはほとんど縁がない。むしろ、目の前の山や畑や空を観ることに足元からの豊かさを実感しているからでもある。居直りと言えばそうなのかもしれない。でも、観光地や料亭に行っても一時の興味は高揚することは確かだが、同時にそこの空間に漂う空虚な靄も感じてしまう。
そこで、貧窮の生活と生存のための食料は畑を中心に置かざるを得ない。というか、生きることは食べ物をできるだけ自給することにあり、と思うからだ。したがって、食卓には畑からの贈り物が満載される。
しかも、和宮様お手製の料理も味わえるとあって、畑の食材のハーモニーが創造されるのが楽しみでもある。今回は、畑から収穫したナス・オクラ・ミニトマト・パプリカをアレンジしたややピリ辛味の「夏野菜麻婆」だ。買った食材は肉と麻婆のとろみ粉だけだ。
主食は、枝豆の両端を切って塩味をしみ込ませた塩茹とする。本当は大豆のつもりにしたいところだったが、このところの害獣攻勢に対して盗られる前に食っちまおうという先制攻撃で対応となった。植物繊維豊富な食卓ではあるが、胃の負担が心配だ。まもなく大腸検査もあり植物系食材は食べられなくなってしまう。