どんどんさびれていく中山間地にとって国道は生命線となっている。しかも、オイラの地域は鉄道もない。つまり駅がない。その代わりバスは来ているがそれも一日に数えるほどだ。その意味で、国道の流通は地域活性化の「要」となっている。しかし、最近は周りの樹木が伸びてきて観光バスに枝が触れてしまう現状になっている。会社や運転手にとっては避けたいコースだ。それほどに、幅の狭い国道でもあるが自然が豊かである証左でもある。
そんなとき、朝早くからチェンソーの轟音がこだまする。森林組合の若手が暗くなった国道の枝を伐っていたのだった。近所の暗いカーブもすっかり明るくなった。これなら観光バスも通行できる。ただし、バスも乗用車もスルーするだけで地域に経済効果は生まれない、というのがオイラの持論だ。
観光地でもない所は人は集まらない。でも、魅力的な人間力がある所や発信地にはじわじわと人が集まっていく。そういう地域力を形成していくことが中山間地の課題だと思う。そこを抜きにハード面ばかりを当局に要請するのは疑問だ。この追い詰められた過疎地でできることはじつは足元の人間のネットワークにあるのではないかと思うのだ。