冷え性の和宮様がご愛用している「陶器製の湯たんぽ」は、春が来たというのにまだ使っている。ブリキの湯たんぽも使っているが錆が気になるという。人にも地球にも優しい自然由来の温もりが心身を暖かくするようだ。
お湯は熱すぎたり入れ過ぎると蓋からお湯が滲み出るのが難点らしい。ゴム製のパッキンも売っているが、邪険にしなければなくても十分使える。蓋も陶器製だというのがすごい。江戸時代から使われ、戦時中は鉄製が生産しにくくなった背景もあり、いまも「冷え取り健康法」として今も生き延びてきている。
囲炉裏の熾火のようにずうっと温もりが継続する。布団に入れておけば一日中保温もできる。そこに、柔らかな温かさが体の内側に届いていくのが素晴らしい。むかしの人は、その残り湯で朝の洗顔をしていたという。美濃焼だろうか、これを数少ない職人さんが手づくりで生産している。和宮様はきょうもこの陶製の湯たんぽを布団に入れ足元から温もりを取りこむに違いない。