三日間にわたる「春野人めぐり」のイベントは本日で終了した。
尾上ガーデンだけでものべ170人くらいの訪問があった。
ここではスタッフの昼食が3時とか4時とかになってしまうくらい盛況だった。
したがって、他のポイントへ行こうにも、行く暇がまったくもてなかったのだ。
なかでも、人気のあった庭の花は「バイカウツギ」(アジサイ科、梅花空木)だった。
シンプルな4弁の白花だったが、緑のなかの純白はひときわ目立った。
梨の赤ちゃんもいた。
梅くらいの大きさだった。
葉っぱの表面がややテカテカしている。
池の近くでは、「キリンソウ」(ベンケイソウ科)がひっそり隠れていた。
気がついた人はほとんどいない。
キリンといっても、動物のキリンさんでもビールの麒麟でもない。
「黄輪」なのだ。
最近、外来種の「アカバナユウゲショウ」(アカバナ科)がはびこっている。
しかし、ここのガーデンでは、その近くで白花もあったのだ。
「シロバナユウゲショウ」ということにしよう。
開花が午後以降(「夕化粧」)ということはナマケモノ? 妖しい?
花の小ささといい、花色のひかえめさといい、目立たない「イブキジャコウソウ」(シソ科)。
東京の高尾山のような植物豊富な伊吹山(滋賀・岐阜県境)に多く自生する。
「ジャコウ」とは、中央アジア・中国にいる「ジャコウジカ」の腹部腺の分泌物を乾燥させた香料。
5mmほどの小さな葉を揉んでみたらしばらく清涼な匂いが手にあった。
かようにして、とてもここでは掲載できないほどの山野草の宝庫があった。
杉・檜の単一な風景に塗り固められた中山間地に豊かなオアシスが作られたのだ。
ひとりの女性の夢・信念が着実に実現されてきている。