原題:『American Hustle』
監督:デヴィッド・O・ラッセル
脚本:デヴィッド・O・ラッセル/エリック・ウォーレン・シンガー
撮影:リヌス・サンドグレン
出演:クリスチャン・ベール/ブラッドレイ・クーパー/エイミー・アダムス/ジェレミー・レナー
2013年/アメリカ
「ヘアースタイル」に関する考察
何かと詐欺師のアーヴィング・ローゼンフェルドの「1対9分け」の髪型が話題とされるが、髪型に関して言うならば、FBI捜査官リッチー・ディマーソも自分のストレートヘアーを気にして強いパーマをあてている。つまりそれは、相手を騙して金銭を奪おうとする者と、大きな手柄をたてて組織内でのし上がってやろうと画策しようとする者の、仕事の質は対照的ではあるが、お互いに自分を見た目より良く見せようとする暗喩として機能し、似た者同士であるからこそ一緒に仕事をすることになるのである。
結局、アーヴィングはシドニ・プロッサーと共にアートギャラリーをオープンさせる。まともな商売を始めるのかと思いきや、扱っている絵画がいくらでも贋作が可能な抽象絵画ということで、どこまで本気なのか最後までわからないところが面白い。