原題:『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』
監督:佐藤竜雄
脚本:佐藤竜雄
撮影:岩崎敦
出演:小松未可子/戸松遥/金元寿子/花澤香菜/下田麻美/能登麻美子/飛田展男
2014年/日本
SF映画の「軽さ」について
本作は加藤茉莉香というメインキャラクターの存在だけで既に成功していると思う。
この女性を主人公に据えた「宇宙海賊キャプテンハーロック」、あるいは「宇宙戦艦ヤマト」が、最初から「海賊ショー」と割り切って演じている茉莉香の立ち位置が軽くて良い。さらに無限彼方というキャラクターを投入し、息子と父親の葛藤という物語を加えることで、「機動戦士ガンダム」的な展開を繰り広げるのであるが、ラストはハッピーエンドでまとめて難解にしなかったところも好感が持てる。ちなみに白鳳女学院ヨット部の部員募集のポスターは以下の有名なポスター「アンクル・サム(Uncle Sam)」のパロディーなのであるが、要するに怖そうなオジサンの代わりに「ヨット部は待っている」と加藤茉莉香が指を指すことが象徴するように、作品内の重たい要素を全て軽くする演出そのものが軽快なのだと思う。