原題:『An Inconvenient Sequel: Truth to Power』
監督:ボニー・コーエン/ジョン・シェンク
脚本:アル・ゴア
撮影:ジョン・シェンク
出演:アル:ゴア
2017年/アメリカ
真実が力と化すまでの多くの徒労について
国連の気候変動交渉COP21が開催されているパリにおいてアル・ゴア元米副大統領がアメリカの太陽光発電企業ソーラーシティのリンドン・ライブCEOと交渉して、ソーラーシティの太陽光発電技術をインドへ無償提供することを確約しインドを説き伏せたのもつかの間、アメリカ新大統領のドナルド・トランプの一筆によってアメリカ合衆国が協定離脱宣言をする時、ゴアのそれまでの苦労は何だったのかと途方に暮れる。
その結果、結局アル・ゴアの気候変動問題に対する功績と言えば、ゴアが副大統領時に、執務室の壁に貼る地球の写真が一枚しかないことを知ったことをきっかけにしたアメリカの深淵宇宙気候観測衛星「DSCOVR(ディスカバー)」の17年の歳月をかけての執念で打ち上げたことだけであろう。
しかしそれ以上に気になることは本作が前作『不都合な真実』(デイビス・グッゲンハイム監督 2006年)ほどヒットしていないということである。アメリカ人が異常気象に興味を失うほど目先の利益に汲々としていることとドナルド・トランプがアメリカの大統領になったことは偶然ではないのかもしれない。
最後に本作のメインテーマであるワンリパブリックの「トゥルース・トゥ・パワー」を和訳しておきたい。
「Truth to Power」 OneRepublic 日本語訳
僕は決して強くはないと君には言える
僕が弱い人間であると君には言えるんだ
君が必要とするものを君に教えるために
僕は君に手紙を書くこともできるんだ
分を刻めば時間になり
時間を刻めば年月に変わる
そのうちに真実は力と化すことは分かっている
もしも僕が君に会うように君が僕に会えるのならば
もしも僕が君を感じるように君が僕を感じられるのならば
君は確信してくれるだろう
分を刻めば時間になり
時間を刻めば年月に変わる
そのうちに真実は力と化すことは分かっている
僕が不老不死だと君には言えるけれど
君が解決策を見つけることは分かっている
僕があらゆることに反応を示さないと君に言うことができるけれど
それは嘘なんだ
塵は花にはならないし
空が消えることはありえないけれど
真実が力と化すことは分かっている
もしも僕が君に会うように君が僕に会えるのならば
もしも僕が君を感じるように君が僕を感じられるのならば
君は確信してくれるだろう
続けることは大変だ
続けることは大変だと僕は言ったんだ
続けることは大変だ
もしも僕が君に会うように君が僕に会えるのならば
もしも僕が君を感じるように君が僕を感じられるのならば
君は確信してくれるだろう
分を刻めば時間になり
時間を刻めば年月に変わる
そして真実は力と化すんだ
An Inconvenient Sequel: Truth to Power | One Republic Lyric Video | Paramount Pictures UK