2018年7月5日付の毎日新聞の「オピニオン」の記事には驚いた。
「事件は13年11月24日午前2時ごろ、鹿児島市の繁華街で発生。けんかの通報で駆けつけた警察官2人が、路上で会社員男性(当時42歳)を取り押さえた。男性は路面に押さえつけられ、胸部などの圧迫による低酸素脳症で同日夜に死亡した。」
「判決によると、警察官が駆け付けた際、興奮した男性が蹴りつけるなどしたため転倒させ、1人が背中に膝を押し当てて体重をかけた。男性が抵抗し2人がかりで3分にわたり押さえつけた。判決は『抑圧に及んだ経緯にはやむを得ない面がある』としたうえで『漫然と制圧行為を継続した』と指摘した。」
「関係者によると、事件当時、警察官にはTBSから取材を請け負った番組制作会社のスタッフが同行していた。同社はTBSからドキュメンタリー番組『密着警察24時』の制作を受注しており、スタッフは警察官が男性を押さえつけた経緯の一部始終を撮影していた。
この映像は放送されていない。また、県警が制作会社から映像を押収したことも判明している。」
「映像を押収されたことについて、TBS側はその事実を公表していない。捜査当局によると、押収に対する抗議もなかった。」
「1990年3月、TBSの番組『ギミア・ぶれいく』が、暴力団関係者が市民を脅して債権を取り立てる場面を放送した。傷害事件とみて捜査した警視庁が、証拠としてビデオテープを押収した際、TBSは『報道の自由が妨げられる』として抗議。」
「今回の問題で、毎日新聞はTBSに2度、文書で取材を申し込んだ。同局は『番組制作過程等については、従来、事実の有無を含めてお答えしていない』としている。番組制作会社も取材に応じていない。」
権力に対する屈服振りが以前よりも酷くなっているのはどうしたことなのか? 「番組制作過程等については、従来、事実の有無を含めてお答えしていない」というような言いぐさは安倍晋三が得意としているものではなかったか? こんどこそ『報道特集』で取り上げてくれるのだろうか? そうでなければ自分たちの都合の悪いものはスル―するという同じ過ちを繰り返し、信用されなくなるだけだと思うのだけれど。