原題:『A.K.』
監督:クリス・マルケル
撮影:フランシス・イヴ・マレスコ
出演:黒澤明/蓮實重彦
1985年/フランス
原題:『Michael H. Profession: Director』
監督:イブ・モンマユール
出演:ミヒャエル・ハネケ/イザベル・ユペール/ジュリエット・ビノシュ/エマニュエル・リバ
2013年/オーストリア・フランス
2人の映画監督のドキュメンタリー映画であるが、奇しくもフランス人の監督によって撮られている2つのドキュメンタリーにおいて、黒澤明のものは1985年の『乱』制作時のもので、ミヒャエル・ハネケのものは2009年制作の『白いリボン』から2012年制作の『愛、アムール』までを網羅しており、対称性を見せる。
しかし実際に映画を撮っている時には2人ともとても厳しいというのが出演者たちの感想である。ハネケの言葉で気になったことは映画制作において何よりも偶然を尊重するということなのだが、黒澤はどうだったのだろうか? そこが作風の違いとして表れているのかどうか、残念ながらハネケの作品をあれこれ批評できるほど観ていない。