MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『バーニング 劇場版』

2019-03-29 00:57:35 | goo映画レビュー

原題:『버닝』 英題:『Burning』
監督:イ・チャンドン
脚本:イ・チャンドン/オ・チョンミ
撮影:ホン・クンピョ
出演:ユ・アイン/ティーヴン・ユァン/チョン・ジョンソ
2018年/韓国

村上春樹の短編を面白く映像化する方法について

 事前にNHK総合で放送された短縮版を観て意味がよく分からなかったので、この劇場版もそれほど期待せずに観に行ったら、同じ作品で同じ素材を使っているはずなのにテレビ版と劇場版にこれほど雲泥の差がつくことに驚いた。
 しかし本当は暗喩で終始したテレビ版の方が村上春樹の原作に近いのだと思うのだが、イ・チャンドン監督の思い切った解釈によりラストの「バーニング」が活きたのであり、確かにベンが証拠となるようなものを主人公のイ・ジョンスの目に触れるような場所に置いておくことがあるのかという疑問もなくはなく、村上が得意とする比喩が却って映像化する上において邪魔になっているのであるが、これくらいの大胆さがなければ『ハナレイ・ベイ』(松永大司監督 2018年)のような無惨な結果になってしまうのであろう。


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