原題:『Sieu Sao Sieu Ngo』 英題:『Super Star Super Silly』
監督:ドゥク・ティン
脚本:チャウ・ゴック/チエウ・フォン/チャン・フウン
撮影:レ・フュ・ナム
出演:チューン・ジャン/ドゥク・ティン/サム/タン・トゥイ
2017年/ベトナム
演出意図が不明なラストシーンの作品について
俳優のソンはベトナムではスーパースターで敏腕マネージャーのズンが次々と仕事を入れるために恋人で現代芸術家のチュックと会う時間が全く取れなかったのだが、元々ソンがズンに頼んで芸能界でのし上がったために文句は言えなかった。そこでズンはソンと瓜二つの弟で両親が離婚した後に、母親と一緒に暮らしながら養豚場を経営しているトゥンを替え玉として利用することを思いつく。
これでソンとチュックは上手くいくはずだった。しかしズンは女優で大金持ちのアナとソンを一緒にしてさらに儲けようと試みるのだが、ソンはアナに全く興味を示さないために、ズンは替え玉工作を暴露してソンを見限ってしまうのである。
ここまでは良かったのであるが、ラストは雨の中、チュックの野外展示の作品を守ろうとソンとチュックが覆いが風で飛ばされないようにするのだが、覆いは飛んでいってしまい作品がずぶ濡れになっていくのを見ながら2人が抱き合うのである。ここのシーンの演出意図がよく分からなかった。2人はよりを戻したというトゥンのナレーションが被るのであるが、悲し過ぎないだろうか。
最後はトゥンがパソコンを持って舟に乗っており、オーストラリアを目前にするというオチで、ここのシーンの意図もよく分からず、ラストが消化不良だと作品全体の評価は必然的に下がってしまうのはやむを得ないのだが、普段見慣れないベトナム作品だから何らかの意図があるのかもしれない。