MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『哀れなるものたち』

2024-03-06 22:48:58 | goo映画レビュー

原題:『Poor Things』
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:トニー・マクナマラ
撮影:ロビー・ライアン
出演:エマ・ストーン/ウィレム・デフォー/マーク・ラファロ/ラミー・ユセフ/ジェロッド・カーマイケル/クリストファー・アボット/ハンナ・シグラ
2023年/アイルランド・イギリス・アメリカ

究極の哀れ者の人生について

 見事に登場人物たちが「哀れなるものたち」だらけで「哀れでないものたち(Rich Things?)」が全く出て来ない。特に哀れな者が橋から飛び降り自殺をした妊婦のヴィクトリア・ブレシントンの体に、その母親を失った胎児の脳を移植して生まれたベラ・バクスターである。
 ところがまるでマイナス×マイナスがプラスになるように(「+」ではなくて「×」なのは「自殺」と「母親の喪失」という哀れの質が違うから)、ベラは弁護士のダンカン・ウェダバーンと駆け落ちすると性の手ほどきをされ、同じクルーズ船に乗り合わせたマーサとハリーには哲学を指南され、ダンカンの所持金全てを施しのつもりで他人に渡してしまいダンカンに勘当されると、売春宿で働きだし、そこで働いていた娼婦のトワネットに社会主義を学ぶのである。つまりベラは窮地に追い詰められれば追い詰められるほど学習し、最後には夫だった将軍のアルフィー・ブレシントンに仕返しを遂げ、ベラの親代わりだった医師のゴドウィン・バクスターの最期を看取り、ついにはゴドウィンの跡を継ぐのである。ベラを演じたエマ・ストーンのキャラが秀逸だと思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/buzzfeed/entertainment/buzzfeed-7627565


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