原題:『女子高生に殺されたい』
監督:城定秀夫
脚本:城定秀夫
撮影:相馬大輔
出演:田中圭/南沙良/河合優実/莉子/茅島みずき/細田佳央太/大島優子
2022年/日本
殺してくれる女子高生について
かつて臨床心理士だった主人公で今は高校の教師である東山春人がオートアサシノフィリア(自己暗殺性愛)を抱える原因は、生まれる際にへその緒が首に絡まって死にそうになった経験があるからなのだが、自分を殺してくれる相手として春人が選んだのが、自分を愛してくれなかった母親の対極に位置する少女である。
しかし春人が選んだ真帆という女子高生はただの女子高校生ではない。9年前に見知らぬ男に性的暴行をされそうになったものの、返り討ちにして殺してしまったのであるが、それは正に春人が求めていた「怪力少女」だった。普通の少女では大人の男性を殺せないからである。
そのような経験もあって真帆は「カオリ」や「キャサリン」という別人格も併せ持つ多重人格者なのであるが、結果的に春人は真帆の幼馴染みで親友のあおいの「お前も消えろ!」という一言をきっかけに天井の板床が抜けて昇降用の紐が首に絡まって死にそうになるものの、九死に一生を得るのである。
ショックで記憶を失った春人は入院先のベッドで魂が抜けたように生きている。つまりオートアサシノフィリアこそが春人の生きる原動力だったという皮肉なのであるが、ここで気になるのは同じ女子高校生であっても春人は真帆に殺されたいのであってあおいに殺されたくはなかったのではないだろうか。まあ、これは好みの問題ではあるのだが。
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