トワイライト~初恋~
2008年/アメリカ
‘死’を与える意味
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
友人たちがいとも簡単にカップルになるのとは対照的にべラとエドワードは双方の家族を巻き込んでの大騒動の末に結ばれることになるのであるが、それはべラが人間でエドワードがヴァンパイアであるからという理由以上に、初めて異性を愛する時の心の葛藤をヴィジュアル化すると、これほど激しいものになるということだと思う。べラの義理の父親がマイナーリーグの野球の選手であるのに対して、カレン家の野球の上手さの対照性もべラがカレン家に惹かれる理由として効果的に使われている。
ラストでエドワードがべラを人間のままにしておく理由は、限りのある人生だからこそ惜しみなく愛し合えるからであろう。だから続編をどのように展開させるのかが楽しみである。ちなみに「Twilight」というタイトルの意味は初恋に翻弄されているべラの「ぼんやりした意識状態」を指していると思う。
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと
2008年/アメリカ
‘おバカ’の意義
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
‘世界一おバカな犬が教えてくれたこと’というサブタイトルがつけられているが、よくよく考えてみるとしっかりと人生設計を立てていたように見えたジェニーがわざわざ安いという理由だけでマーリーを選んでしまうところをみると‘おバカ’なのはマーリーだけではないのである。実際にジョンとジェニーの共働きの夫婦は大変になることは分かっているのに子供を3人もつくってしまう。
しかし彼らは‘おバカ’であるからこそ彼らの人生(と犬生)を謳歌しているのである。例えばジョンの同僚のセバスチャンの人生はどうなのだろうか? 彼は自分の仕事の邪魔になるような結婚もせず、勿論ペットなども飼わないままキャリアをこつこつと積み重ねて出世する。それは彼が選んだ人生であるのだから誰も文句を言うことはできないのではあるが、セバスチャンの‘頭の良さ’とジョンの‘おバカ’をどうしても比較してみたい誘惑に駆られてしまうのである。
首相「迎賓館はロシアに勝った直後できた」IOC委員に(朝日新聞) - goo ニュース
勿論、麻生が冗談のつもりで言ったわけがない。恐らく麻生の頭の中では「他国
に勝利=オリンピック」という単純な方程式が存在して、深く考えることもなく「元々
この建物は、戦争でロシアに勝った直後の1909年に建てられた」と言ったのだ。
バカである。石原慎太郎もプレゼンテーションのために約3時間の英語の特訓を
したらしいが、オリンピックを東京へ招致するのに150億円使ったとしても、今年の
10月2日に開かれるIOC総会にオバマ大統領が参加して直談判してシカゴに
決まるらしい。つまり全ての努力も150億円もオバマのコペンハーゲンとワシントン
間の交通機関の往復費用のみによって水泡に帰すのである。
ウォッチメン
2008年/アメリカ
‘ヒーローの時代’の終焉
総合
100点
ストーリー
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キャスト
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演出
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ビジュアル
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音楽
0点
『ダークナイト』や『ハンコック』などで問われていたことはヒーローの存在意義であったが、それはあくまでも「自分は何のために戦っているのか?」という個人的な問題であった。それが『ウォッチメン』においては社会的な問題として問われている。
1977年に事実上のヒーロー廃止法案であるキーン条例が可決された背景として、アメリカとソビエト連邦の核保有があったことは間違いない。ヒーローは個々の小さな事件には対応できても、核爆発の前にはなす術がないからである。そのことにいち早く気がついたのが‘ウォッチメン’の1人であったエイドリアン・ヴェイトであった。そこでヴェイトが考え出したことが、アメリカに宇宙人から‘核’を落とされたような状況を作りだし、新たな敵を作り出すことで‘地球同盟軍’を生み出そうという‘正義の野望’であるのだが、その前にその計画を阻止しようとするだろう‘元同僚たち’を始末しなければならなかったというのが物語の中心軸になっている。
そこにDr.マンハッタンの行動の意味が加わる。癌の発病の原因とされてしまったDr.マンハッタンは火星に移住する。地球内で見れば大きな出来事でも、火星から見れば地球で起こっている出来事などは小さく見えるだろう。しかしローリーの出生の秘密を知った彼は細部の中にこそ奇跡があることを知って地球に戻ることにする。
クライマックスで問われていることは、スマイルバッジに血がついていることが許せるかどうかというよりも、血の‘付け方’であろう。血の流れない平和は存在しないということである。ヴェイトは平和のためならやむを得ないと考えるが、自分の信念で違法に活動を続けて手を血に染めてきたロールシャッハはヴェイトの‘おとぎ話’のような計算された偽善を自分勝手な判断であると考える。だからローリーの出生の秘密を知って地球に戻ってきたDr.マンハッタンは結果的にヴェイトの側についたのである。
しかし物語はこれで終わらない。ロールシャッハはヴェイトに会いに南極へ行く前に、自分が考えていた疑惑を日記に記していたのだが、それがある新聞社に投稿されていた。再び‘振り出し’に戻るという暗示で終わる。
‘ヒーローの時代’は2つの意味で終わっている。1つは核爆弾であり、もう1つは火星からでも細部が見えるほどの社会の‘高度情報化’である。ヒーローは核の前では無力であり、匿名のままではいられないため以前よりもずっと簡単に暗殺されやすい。
‘ウォッチメン’とは勿論、バットマンやスパイダーマンなど有名なヒーローを暗示している。ただ著作権上使えないために意図的に似たようなキャラクターを創作したのである。個人的に一番面白かったキャラクターは二代目シルク・スペクターである。‘キル・ビル’経由のブルース・リーというヒーロー像が秀逸だと思う。
ワッペン作り直し指示の都下水道局長減給処分(朝日新聞) - goo ニュース
都の説明では「公金の無駄な支出で懲戒処分にするケースはまれ」らしい。私は
減給20%(3ヶ月)の懲戒処分はむしろ甘いのではないのかと思う。このように処分
が甘いからこのような取り返しのつかない不祥事が起こるのではないのだろうか?
都のシンボルマークのわきに、約5センチの水色の波線を加えたことが都の内規に
抵触することが今回の約3400万円の税金の無駄遣いになったのだが、水色の
波線などホワイトマーカーで塗りつぶしてしまえば何の問題もなかったはずである。
私は今里伸一郎・下水道局長は業者に仕事を斡旋するための確信犯のような
気がしてならないのだが穿った見方だろうか
10歳、オトナ顔でタバコ買う タスポ不要の自販機誤認(朝日新聞) - goo ニュース
前々から顔認証方式のタバコの自動販売機は怪しいとは思っていたのだが、この
ような事態が生じることは誰もが想像していたのではないのだろうか? とにかく
何が一番の問題なのかがよく分からない。なるべくタバコを売りたいために、例えば
AVヴィデオのモザイクを薄めるような感じで、顔認証の“レベル”を下げた結果で
あるのか、あるいはタバコを購入できた10歳の小学生の顔が成人レベルを超えて
いたのかどちらかであろう。だから問題解決のために一番良い方法はその小学生
の顔を公表することなのだと思う。公表することで販売機に問題があるのか、この
顔では機械が騙されても仕方が無いと同情を得られるのか、どうだろうか
ザ・バンク-堕ちた巨像-
2008年/アメリカ
ご都合主義
総合
50点
ストーリー
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キャスト
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演出
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ビジュアル
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音楽
0点
『レッドクリフ』もそうなのであるが、この作品に言えることはストーリーに‘辛抱’が足りないということである。例えば、サリンジャーたちが狙撃犯を探している時に、偶然探していた狙撃犯を見つける。‘偶然’というのは無いことは無いけれども、用心深くない狙撃犯という設定が想像し難い。その後、美術館で銃撃戦になるのだが、何故か狙撃犯は銃撃戦の‘最中に’防弾チョッキを脱いでしまう(そりゃ撃たれて死ぬでしょう)。サリンジャーが使う微妙な性能の盗聴器(もっと高性能の盗聴器があると思うよ)。このような感じでストーリーは敵方に有利なように展開する。その結果、サリンジャーは最後に自分自身が‘狙撃犯’になってしまうのだが、最後になってそろそろ話を終わらせたいためなのか、IBBCの社長にボディーガードが一人もついていないという奇妙な状況が生じて、サリンジャーに簡単に殺されてしまうのである。ストーリーに‘辛抱’が足りないために、ご都合主義に陥ってしまっていて登場人物たちの心の葛藤が伝わってこない。確かにニューヨーク・グッゲンハイム美術館での銃撃戦だけは見ごたえがある。
レッドクリフ PartII -未来への最終決戦-
2009年/アメリカ=中国=日本=台湾=韓国
5時間では足りない?
総合
60点
ストーリー
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キャスト
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演出
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ビジュアル
0点
音楽
0点
『レッドクリフ Part1』を見終わった時点で、『Part2』では人海戦術のアクションシーンはさらにすごいことになると予想した。確かに『Part1』の陸戦、『Part2』の海戦ともに十分に見ごたえはあったが、何故今『三国志』なのかに関してジョン・ウー監督は私が想像していたような高尚な思想は持ち合わせていなかったようだ。
最大の難点は80万もの兵士を率いる曹操が1人の女性でつまずくというアンバランスなストーリー展開にあると思う。小喬にこだわりがあったとしても、決戦を前にして敵の妻が立てるお茶を飲むだろうか? 尚香も活躍し過ぎだと思う。あれほど簡単に情報が漏れてしまうと却って興醒めてしまう。確かに女性を狂言回しに使うことは娯楽作品の常套手段ではあるだろうが、あまりにも安易ではないだろうか?
しかし幸か不幸か退屈なスティーヴン・ソダーバーグ監督のチェ・ゲバラ2部作を観た後のためか、単純なスペクタクル映画として観るならば十分に楽しめると思う。
温首相「完全に理解」何度も 熱帯びた日中首脳会議(産経新聞) - goo ニュース
外交筋は「米中両国は、米国の素案にあった安保理決議に『(北は)従っていない』
との表現でほとんど決着していたが、それを『違反』に格上げしたのは麻生首相の
力だ」と述べているが、本当にこのように思っているのだろうか? 私には温家宝が
麻生の言い分をしっかりと聞いて日本の事も配慮して妥協しましたという、日本国民
に向けてのアピールのように見える。中国側にしてみれば今回は安保理決議でさえ
なければ良いわけであって、影響力のない議長声明の内容がどうであろうとも
中国にとっては問題はないのだから、ここは日本に配慮したように見せかければ
中国にとって利益があるということである。温家宝の方がはるかに上手であるが、
“外交筋”がそのことを了解しての上の発言であるならば、日本は中国の
年金 納付率改善ないと現役5割の給付無理 厚労省試算(朝日新聞) - goo ニュース
普通公的年金の長期的な財政見通しを、目標として掲げる納付率で試算などする
だろうか? 常識で考えれば実績に基づいた納付率で試算を出さなければ意味を
成さないことは厚生労働省の役人には分からないようだ。百歩譲って目標として
掲げている納付率で試算が許されるとするならば、今まで社会保険庁が一生懸命
努力してきたという“実績”が前提になければならないはずなのだが、言うまでもなく
社会保険庁の仕事ぶりはグダグダである上に、完全に信用を失墜してしまったため
長期的な社会保険庁の仕事ぶりも当てにはならないのだから、納付率が上がる
ための根拠も失くしてしまっている。「神のみぞ知る」という舛添の発言も本気で
言っているのならば国民の信用は得られないし、ヤケクソならば万事休すであろう。