クランクケース合わせのボルトは純正品を注文しなかったので、仕事で良く行く近所のネジ専門店にて入手。
この店は良くある金物屋ではなくて、ネジしか売ってない所が特徴。厳密にはネジ以外の物も売っているが、例えば金物屋では売っていて当たり前の釘なんかは、この店には置いてない。金物屋では在庫してない様なネジでも普通に置いてあるので、仕事でも非常に助かっている。
さて、XR250に使用されているM6ボルトは、通常ならば二面巾10ミリのところを、殆どの箇所に二面巾8ミリの物が使われている。しかもフランジ付き。これ自体は一般的では無いものの一応は規格品に存在すると思われる(未確認)が、XRに限らずバイクに使われている半ネジボルトは、みんなネジを切ってある部分が短いので、これは多分バイクメーカーが独自に作っている物だと思われる(コレも未確認、スミマセン)。
半ネジ長さに拘らなければ、規格品として入手するのは全く不可能な訳では無い。だが、特殊な物を長さマチマチで、しかもほんの数本しか必要ではない・・・となると現実的には無理だ。というよりもお店にとっては大迷惑になる可能性がある。その場合は純正部品を頼んだ方が人道的に正解だ。
俺はキャップボルト(六角穴付きボルト)が好きなので、今回は鉄製でユニクロメッキの物を指定した上で、長さ・本数等を明記した注文書を事前にFAXしておいた。あまりに少量なので相手を煩わせては申し訳無い・・・という配慮である。まあ俺の場合は平常から仕事で相当量を買っているし付き合いも古いので、稀の事ならば気楽に御願いできる。
ユニクロのキャップボルトは意外と使われる事が少ないので(キャップボルトは、市場ではステンレス製や黒染めの物が主流の為に店頭在庫していない)揃うかどうか不安だったが、あっさり全部揃ったらしい。
俺がキャップボルトを好むのは、先ず見た目がスマートである事。工具の選択巾が広くて早回しが可能な事、確実なトルクが掛け易い事。
逆にネガとしては、OFFで使う場合は泥詰まりし易く、変形したりすると外せなくなる事、六角頭の様に真横からは回す事が出来ない事。
それとキャップボルトの特徴で余り知られていない事だが、ホームセンターや金物屋等を含めて一般的に流通しているネジの中では唯一、強度が高いのである。
キャップボルトの頭を良く見ると、小さな刻印がある。鉄製のキャップボルトの場合は大抵「12.9」か「10.9」と書かれている(俺はそれ以外見た事が無い)。これはJISで定められている10段階の強度区分の表示で、12.9は最強、10.9が2番目。
12.9は正しくは「12.9T」と表記する。12は「最小引張荷重」を表しており、この場合は120kgまでせん断しないという意味。
9は「降伏荷重」を示し、120kgの90%=108kgまでは引っ張られて(荷重が掛かって)伸びても元に戻るという意味。
ちなみにコレは俺の憶測であるが、メッキ品と黒染め品はネジを転造されるまで区別無く作られ、その後に表面処理をしているのではと思っている。メッキをすると強度がかなり落ちるので、例えば建築鉄骨で使われるボルト(HTBとかハイテンとか呼ばれる)は全く表面処理されず、組まれた後に塗装する(余談だが、コレはネジロックを兼ねている)。つまりメッキ品の「12.9」とかは、実際にはそこまでの強度が無いのではと考えている。
といっても普通に出回っているボルトの強度区分は大体「4.8」で、バイクに使われている高強度ボルトでもせいぜい「8.8」位なので、メッキのキャップボルトはブレーキ廻り等に使っても大丈夫だ。
ちなみに上記の事は、鉄以外の材質には当てはまらないので注意。ステンレスのキャップボルトはクランクケース合わせに使ってしまうと、頻繁に外さないので固着して齧ってしまう確立が高い。装飾的要素が強く、使えるのはカバー位。アルミとは相性が悪い。俺はケースカバーに使ってるけど。
予備をもっておいても損は無いので、かなり余分に買った。写真の分で¥240なり。申し訳無さに頭が下がります。