THE FOURTH PARTY

チョイ毒エッセイのようなもの。コメント欄でのやりとりはしません。用事がある人のみ書き込んでくだされ。

暗雲垂れ込める

2009-10-21 00:24:57 | オフロード

「クラッチが滑る!」
T田さんの叫び声にメンバーの脳裏に浮かび上がったのは、去年の悪夢。
しかもこんなに早い時間に起ころうとは。
 
去年の同レースで、終盤にクラッチトラブルが発生。クラッチの遊びがマイナス状態となり、滑るという物だった。
280馬邪はかなりのハイパワー。
ピークパワーではXR400よりも上。静音サイレンサーのYZ250Fに近いパワーを出している。
かといって低速がスカスカな訳でもなく、アイドリングでも走れてしまうほどのトルク。
クラッチに負担が掛かるのも当然の話だ。
今回はそれに備えて、クラッチ関係は全て新品に取替えてある。
逆に慣らしが出来ていないのが仇になったのか、T田さんのライディングに悲鳴を上げてしまったようだ。
去年の経験から真っ先にクラッチワイヤーの遊びを確認すると、やはりマイナス状態。
コレを調整して再びコースへ送り出す。
 
ところが、数周走行しただけなのに、またT田さんが叫びながらピットイン。
「クラッチがまた滑りはじめた!」
再びワイヤーを調整するも、調整ネジ山は手元側もエンジン側も、既にほぼ限界位置だ。
 
とにかく大事に走ってもらうように伝え、再びコースへ。
 
T田さんの走行終了後にヘッドライトを装着する予定。
ヘッドライトユニットは2.2kg程度あって、とても重い。
ハンドリングへの影響を嫌って、T田さんにはギリギリまで無灯火で走ってもらうつもりだったのだ。
ヘッドライト装着と同時にエンジンオイル交換もする事になっている。
 
ピットで協議が行われ、次のピットインで思い切ってクラッチを交換する事になった。
現在280馬邪に取り付けているクラッチは、バスケット以外全て新品。
プレッシャープレート、ボスも新品だ。バスケットだけは去年の坂内2DAYS後しばらくして交換したもので、それほど使用していない。
対して次で取り替えようとしているクラッチは、ボス、プレッシャープレート共に2年ほど使用した中古。
クラッチ板、フリクションプレートは去年の坂内2DAYS直後に取り替えた物。
こんな物で最後まで持つのか?
 
ピット作業は、俺がヘッドライトの取り付け、チェーンガイドの修理、自作のアンダーガードの取り外し&取り付けをはじめとした細かい作業を行い、K頭さんがクラッチの交換を行う事とした。実はK頭さんはバイク屋さんなのだ。
 
T田さんがピットイン。
6~7人が280馬邪に群がり、一気に作業を進める。
必死に作業を終わらせて、再びmoritechさんが走り出す。
タイムキーパー的な存在となったK原さんによると、ピットストップは35分程度だったそうだ。4~5周のロスか・・・コレは痛い。
出てきたクラッチは、こんなの(笑)。

Img_5021

黒く塗った訳ではないよ。
 
もうダメだと思いこんで、しばらく順位をチェックに行く気はしなかったのだが、1時間ほどしてN川君がボールの数をチェックに行った。
すると、どちらがトップか分からないが、#22とウチが同一周回との事。他チームにも何かトラブルがあったか?

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K頭さんが持ってきてくれたスペアエンジンから、念のためもう1セットのクラッチを取り外しておく。

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ほっと胸を撫で下ろし、N川君の作った「坦々ゴマ鍋」をいただく。

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レシピサイトとして高名な「COOKPAD」を印刷した紙に首っ引きだった事は内密に。
今年は、我がチームに「担当制」が導入された。
例年は個人の負担の差がかなり大きく、準備や後片付け、当日のピットの作業まで、何でもかんでもやっている人もいれば、ほぼ走るだけで終わってしまう人もいる。コレではいつか参ってしまうという事でワーワー言ってたら(スミマセンw)、N川君とJロウさんが食事係に名乗りを上げてくれたのだ。

Img_4978

おかげで俺は非常用にカップラーメンを数個持って行っただけ。それなのに食べ物には困らなかった。今年はほぼピット作業に付きっ切りとなったが、空き時間にすぐに何かが食べれて助かった。まあ、肝心な俺の荷物の量はあまり減らなかったけど(笑)。
他のチームの方々はどうやっているんだろう?
 
さてこの頃、赤組のXLR芋樽号が帰ってこない。
280馬邪で走行中のmoritechさんがピットに立ち寄り、T中代表の乗った芋樽号がダンロップ看板付近で止まっているとの事。コレができるのが、2台体制の強みだ。Img_4981
俺は適当な工具をバッグに入れて、徒歩で救出に向かう。
後の詳細は割愛するが、工具を使わずに復帰した・・・とだけ書き記しておこうw
ちなみに次のローテーションでも全く同じ事態がw

Img_4998

 
280馬邪は、ライダー交代時にクラッチの遊びをチェックする。とりあえず今のところは大丈夫そうだ。

Img_4984

特に必要は感じなかったが、エアクリーナーエレメントも念のため交換。坂内は川渡りがある。大した水量ではないけど、何周も周回していると水がボディーブローの様に効いてくる。雨が降ったら覿面だ。
ということで、水の浸入については新しい方法で対策した。結果、この時点でのエアクリーナーエレメントは、湿った気配もない。侵入対策の方法についてはヒミツ。田中ワークスマシンですから(笑)。
 
夜8時を回った頃、土曜日の仕事を逃げる事ができなかったME06さんが登場。コレでフルメンバーだ。やっと俺も走れるぞ。
ウェアに着替えて280馬邪に跨る。
ウーム、かなりマシンの調子は落ちているようだ。ビルダーである俺がマシンを壊してしまうとシャレにならないので、ペースを落として走る。
時々、エンジンの左側からヒューーーーン・・・・と笛のような音がする。暫くすると消える。何だろう? セルモーターが回りっぱなしか?
結局あまりテンションも上がってこないままに10周のノルマを終えて、ME06さんに交代。

Img_4983

 
メンバー中最も速いME06さんは、クラッチトラブルの瞬間を見ていないためか、いきなり全開走行だ。大丈夫かいな、マシンは。
ME06さんがピットインし、予定のオイル交換をする。
ドレンボルトを緩めたが・・・
何と、オイルが出てこない!!!

Img_4988

 
右側クランクケースカバー辺りがオイルで汚れている。オイル漏れか?
とりあえず規定量を入れて、走行を継続させる。この時点で2位以下に4周程度しかリードしてないので、とりあえずはオイルを足しながら走るより仕方が無い。
しかし、油が全く入っていないのに動き続けていたエンジン。
コレは、焼き付きに滅法強い特性のWAKO’Sの4CR60のお陰に違いない。

Img_4996

 
度重なるトラブルによってかなり消耗してしまった俺は、トラブったら起こしてくれるように頼み、トラックの運転席で仮眠する事にした。

 

つづく。

コメント (2)
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