ウチの奥さんは、ハッキリ言って料理がヘタクソである。
あまり食い物に文句を言いたくないので、滅多にケチはつけない。
だが、彼女の作った飯は不味い。俺が自宅であまりメシを食いたくない理由は、そこにある。
頻繁に食卓に並ぶメニューは一通りレベルが低い。
まずお米。コレは必ずしも彼女の腕のせいではないが、安い米を買ってくるのだ。
外食の多い俺はどうしても舌が肥えてしまうので、なるべくいい米を使って欲しい。
米のブランドを替えるように何度か言ってみたのだが、彼女には分からないらしい。
米が不味くてもそこそこイケるメニューといえばカレー。
しかし彼女の作るカレーがまた酷い。
俺の地元には「CoCo壱番屋」というカレーのチェーン店があり、ランチをそこでとる事が多い。
CoCo壱番屋のカレーは旨い。それをしょっちゅう食っているのに、何故に自宅で不味いカレーを食わなければならんのだ。
他にも焼き魚、味噌汁、うどん・・・全体に味付けが塩っぱくて、焼くものは生焼けが多い。
ここではこんなに酷い事を書いているが、面と向かっては文句はほとんど言わない。(言うのは生焼けの時くらい)
何せちょっと何か指摘しただけで強烈に拗ねたり逆ギレしたりするので、タチが悪い。迂闊に物が言えないのだ。
彼女には創意工夫というものが全く無い。失敗したとしたら、それは何かが間違っていたわけだ。次回は方法を変えるのが普通だと思うが、それをやってないのだがら進歩はありえない。
人に何か言われたら、当然悔しいだろう。誰だってそうだ。だが、その後も同じ事を続けていたら、ずっと文句を言われ続けるか、見放されるかどっちかだ。
事は料理に限った事ではなく、何でもそうだと思う。言い訳ばっかしてて負けを認めない人は、何事も上達しない・・・というのは、以前から俺の持論だ。
以前の記事に書いたが、ハンバーグを作った事がある。
コレは彼女の作るハンバーグがあまりに酷かったので、さり気なく見本を見せる意味もあった。(ちなみに、料理を俺がやってやるよ、というと、怒る・・・何故?)
結果、ハンバーグは幾分マシになった。
さて、そんな理由で今回俺が作ろうと考えたのは、餃子である。
半年ほど前までは、ウチの奥さんが作る餃子は、そもそも見た目が餃子ではなかった。
コレは焼き方がチャランポランだったからだ。ちなみに過去十年以上、一度も文句を言った事は無い。
たまたま子供が熱を出したときに、俺に餃子を焼いてくれというので(餃子は作ってあった)、ラーメン屋の厨房で見た手順で、初めて焼いたワケだ。
これがなかなか上手くいって、見た目だけは見事に餃子だった。
その後奥さんの餃子は、焼き方だけは微妙にマシになった。
しかし、いまだに味は酷い。
先日夜遅く帰宅したら、食卓の上には不味い餃子しか置いてなかったので、遂に俺も堪忍袋の緒が切れた。
旨い餃子を作ってやる。
ネットで調べてみると、材料は非常に単純のよう。という事は、旨い餃子を作るには、なにか独特のコツがあるのかもしれない。自宅で作る前にコッソリと研究してみよう。
ちなみに奥さんの作る餃子にはニンニクは入っていない。なので俺が作る餃子も「ニンニク抜き」が大前提となる。
材料。
キャベツと白菜とどっちがいいのか分からなかったので、頭の中でイメージして白菜に決定。
1/4カットを買ってきて、全部みじん切り。
あまりに大量なので心配したものの、浸透圧恐るべし。
豚の挽肉250gくらい、白ねぎ一本みじん切り、ショウガ、しょうゆ、コショウ、オイスターソース、酒、ごま油を入れて混ぜ合わせる。
挽肉は事前に練っておいた方が良かったかも。
最後にニラ一束のみじん切りを混ぜる。白菜みたいに水分を追い出そうと思って塩を振ってみたが、全く意味無しだった。
しばらく寝かせてやる。
しかしコレ、量多くねえか?
ゆくゆくは皮も自分で作るつもりではあるが、今回は具に集中するため、既製品を買ってきた。
一つ目を包む。
ウ・・・上手くできん。やってて思い出したけど、昔オフクロと一緒に包んだ事があったな、そういえば。確か幼稚園年少の頃だ。
包み方はだんだん上達。最終的にはまあまあな見栄えとなった。
しかし具は半分近く余ってしまった。なんてこった。
焼き上がり・・・甘いな(笑)。
肝心の味だが。
作ろうと思い立った時点で、実は結構自信があった。
結果は、不合格。
ニンニクを入れれば誤魔化しも利くのかもしれないが、これではちょっと・・・。
ニンニク抜き餃子としては名高いホワイト餃子、ラーメンと併せてお気に入りの「うま屋」の「ニンニク抜き餃子」の足元にも及ばない。
プロ中のプロと、今日初めて作るアマチュアの差は置いといて、なんだろう、この違いは?
まあとにかく、新しい目標ができた。