以前読んだ「脱獄山脈」に続編があるというので、読んでみた。
主人公が山行の途中、雨にびっしょり濡れて動けなくなった女性がいて、もうこのまま死ぬというのを無理やり助ける。
また、冬の北アルプスで、一緒に雪崩に巻き込まれた二人の学生を捜索したところもう一人の遺体も見つかった。その雪崩以前に殺害されていた可能性があり、探偵となった主人公は、調査する。
なかなか、面白そうな出だしであり、前作同様のテ . . . 本文を読む
”エベレスト山頂近くにアメリカの人口衛星が墜落!”
というショッキングな見出しに手に取ってみた。
前に読んだ「ミッドナイトイーグル」も、日本の山中にステルス戦闘機が墜落したのだが、もっと、スケールが大きくなっている。
日本人の登場人物も2人のみだ。
主人公の日本人登山家が、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。その作戦の名前が、「天空の回廊」作戦だ。
アマゾン . . . 本文を読む
再び、おすすめの山岳ミステリー小説を読んだ。米空軍のステルス爆撃機が北アルプスに墜落した。一方、北朝鮮の工作員が横田基地に侵入、逃走した。この二つの事件に関わったカメラマンと記者の男女の物語だ。渾身の国際謀略サスペンスをあるが、まさに、その通りだ。2000年の作品だから、19年も前だが、まさに現代に通じる米国、中国、北朝鮮の謀略のようで驚いた。涙なしには読めないとあるが、感動的な物語になっている。 . . . 本文を読む
谷甲州の作品で気になっていた作品を読んでみた。
普通の山岳小説とは、ちょっと異なる作品だ。
裏表紙には、過酷な状況で遭遇した幻想と狂気を描く迫力の山岳小説とあるが....
著者は、SF作家でもあるが、読んだことはないが、おそらく、こういった不可思議な部分が好きなのだろう。
5人の登山家が、一つの山を3ルートに分かれて登る。北東稜:マックス、北稜:日本人2人、西稜:イギリス人2人
イギリス . . . 本文を読む
登山者のためのブックガイド(山と渓谷)に載っていた「脱獄山脈」を読んでみた。
著者は、もともとは時代小説作家だったが、山岳ミステリーを書くために改名したらしい。
この作品は、発想が奇抜だ。脱獄した囚人が、奥多摩やアルプスを縦走しながら日本海側の親不知海外までいき、無実の罪を晴らすと同時に殺された妹の復讐を果たすというものだ。
日帰りのミニ縦走しかしたことがない中で、何日もかけて縦走するのがす . . . 本文を読む
新田次郎の「雪の炎」を読み終えた。
あまり知られてない作品だ。裏表紙にも山岳ミステリーの異色作とある。
それ以上に裏表紙の概要で目についたのは、谷川岳で疲労凍死した登場人物の名前が、自分の名前だったことだ。
この疲労凍死した男の妹が、遭難現場にいたメンバーに不審を抱き、真相に迫るという物語だ。
謎の外人やら、産業スパイの話が出てきたり、ちょっと、新田次郎らしくない作品でもあるが、今風という . . . 本文を読む
「未踏蜂」という題の山岳小説は他にもあるようだが、この作品は、ちょっと違う。
何が、違うかというと、未踏蜂に登山することが主題ではないからだ。
それぞれに問題がある三人が、自分の生きる場所を求めて、山小屋に住み込みで働くようになる。
そこの主人は、元、世界的な登山家であり、彼らと一緒にビンティチュリという6000m級の未踏蜂にチャレンジするための訓練をする。
しかし、山小屋の主人は、火災に . . . 本文を読む
山岳冒険小説なのだが、少し骨太と言える作品だ。
得たいの知れない男から脅迫されてヒマラヤに登る隊長にされたが、登山隊員は、武器を持ったチベットゲリラだった。
冒険小説だから、当然、アクションがあるのだが、単純な冒険小説と異なり、背景がリアリティーがあるように感じてしまうから不思議だ。
それは、この作家の登山に関する描写のリアリティーからきているのかも知れない。
今日は、少し、涼しかったから . . . 本文を読む
図書館のおすすめコーナーで見つけて、読んでみた。
8人の作家の傑作選だ。その中で知っているのは、森村誠一くらいだった。
どれも、ちょっと、違った雰囲気なので面白く読めた。
大自然の中で繰り広げられる謎と殺意と愛憎に満ちた山岳ドラマとのうたい文句にひきつけられた。
一番印象に残っているのは、「悪女の谷」だろうか。
同じ職場の二人の山ガールの一人を捨てて、もう一人に移った男が、新しい彼女に誘 . . . 本文を読む
谷甲州と言えば、SFだが、実は山岳小説も書いているどころか、この作品などで新田次郎賞も受賞している。
ということで興味を持って、読んでみた。
最初に山岳用語集が出てくるのが面白かった。しかし、これがないと意味不明な箇所が出てくる。特に、山岳用語には、ドイツ語ではだいたい知っていても、英語では知らなかったりする。
例えば、リンネやルンゼと同じ意味のガリーだったり、アイゼンと同じ意味のクランポン . . . 本文を読む
文庫本の裏面の「女流登山家に美人なし」をくつがえす、美貌のアルプにストとの4人の男女の恋愛感情うんぬん...という説明から、読むのをためらってきたが、いつも借りられずに図書館の棚にあるので、読んでみた。
登山シーンは本格的だし、思いのほか面白かったが、美貌のアルピニストの旧友のライバルの出現により、どろどろとした感じがした。
しかし、最後の落ちが、このライバルの存在、行動なくしてはなかったろう . . . 本文を読む
山岳小説で、他に面白い作家がいないか探してたら、この山岳ミステリーに出会った。
中々、面白かった。
クレパスに落下した仲間を諦めて下山したのち、10年後に死体を回収するべくクレパスに降りて、死体を見つけると、何と、死体が歳をとっていたのだ。
このありえない設定から謎解きが始まるから、今まで読んだ、どの山岳ミステリー小説とも違う新鮮さを感じることができた。
一方、登山の描写は、登山家のアドバ . . . 本文を読む
新田次郎の作品では、あまり知られていないかもしれない。
表題作のほか5編の短中編からなるが、どれも、ミステリーがかったちょっと一味違った珍しい作品だった。
例えば、表題作は、山頂にあった石地蔵を持ち去った若者たちに次々に不審な死が襲うというものだし。
他にも、古文書の原本がほしければ、100万を持って、富士山の青木ヶ原樹海まできれくれというものやら。
関東大震災の再発が69年後にやってくる . . . 本文を読む
野口健の「確かに生きる」(落ちこぼれたら這い上がればいい。)を読んだ。
表紙は、山登りの写真が使われており、当然、山登りの本かと思ったが、むしろ、野口健の、人生、生き方、生き様が書かれていた。
それが、ある意味、痛快であり、ああ、こんな人だったんだと驚いた。
植村直己にあこがれて7大陸最高峰最年少登頂記録を達成した以外では、TVの世界ふしぎ発見で見てたくらいだったので、新鮮に感じた。
もち . . . 本文を読む
植村直己の「青春を山に賭けて」を読んだ。
「エベレストを越えて」に比べると読みやすい印象を持った。
それにしても、最小限のお金で海外に行き、働きながら山に登るという、まさに青春を山に賭けた人生に、今更ながら驚いた。
この書は、山登りそのものよりも植村直己の青春、冒険人生世界放浪記を書いたものと言ってよい。
したがって、アマゾンのいかだによる川下りなども書かれている。
そのあたりで、少し、 . . . 本文を読む