十数年前の「プッツン」は入所措置用件に全く該当しない申請者を面接を経た上で「該当せず」と福祉事務所に報告した件を、「なぜ入所拒否したのか?」と某議員が圧力まがいの暗に撤回の期待を込めた電話をしてきた時だった。
このときは「来所くだされば資料と共に説明します」と伝えたのだが、結局来ることはなかったし「票になるなら道理などどうでもいいのだろう」と思ったものだ。
さて、今回の紳士はなおも「見えなかった」とのたまうので、嫌がられたが手を引いて新ルートを確認させた。それでようやく「私の思い違いでした。でも通報はします」との態度だったけれど、「通報はかまいません。こちらも言い分がありますから名前を教えて下さい」と名乗った上で訊ねたが「必要ない」と明かさない。
散々、言い争った挙句「某駅近くで●●を営む●●です」と明かしてくれた。こういう手合いは信義則など持ち合わせていない場合が多いので、後々のために現場で確認させておくことは大事だと思っている。
このカップルも度々入山してタケノコを背負って帰っていく人類なので、厭味と思いつつ「度々こられていっぱいお持ち帰りですが、ご商売ですか?」ととぼけると「近所に配る」のだという。「週に2~3回も来て配られる方も迷惑」と思ったが「県有地から度々タケノコを掘り出し配り歩くなんて喜ばれますね」と言ってしまった。人間、悟りの境地に至るのは難しい。
言い争いも終わり頃「お宅はいつも作業をしているのでシンパシーを感じていました。今回の件は私の思い違いなので農林事務所には通報しません。すみませんでした」とまで言ってくれたのだが「パブリックを楯にエゴを通すような人間は虫唾が走るタイプだからシンパシーなど迷惑この上ないし、どうぞ通報なさって下さい」に加えて「今日から死ぬまで本を手に取ったり本屋に立ち寄ったりすれば必ずこの馬鹿げた事を思い出すことになる。朝から台無しだ。」と付け加え、我ながら厭味の極致で締めくくってしまった。奥さんだけが横で「済みませんでした」と頭を下げていた。
本当に言いたかった厭味は「多くの書物を選択提供する立場の人に知性や良識が伴わないようでは読書人口減るのはあたりまえ!」だったが、これはさすがに遠慮した。
本当に後味の悪い憤りの持って行き場がない感情だったが、後から来た会友や隣地で作業をしていた県職OBの某氏等に愚痴ったら「色々な人がいるから…、甘いものでも舐めな」と黒飴を頂く。話し相手が居ることは大切だ、と言うのが今回の収穫。
そんなことは無関係にハルジョンは柔らかな桃色で虫たちを呼んでいた。本当にいい色合いだなあ。桃色吐息、桃色吐息だ!