栗の若葉が大きくなるに連れてクリタマバチの虫瘤が目立つようになった。若草色の新葉と淡い朱色の瘤は美しい取り合わせだけれど、栗の木の最大の害虫なのだ。
木によっても寄生の度合いは差があって少ない木もあれば多い木もある。試しに二個ほどナイフで縦割りにしてみたが虫は発見できなかった。
クリタマバチの幼虫は見つけれなかったが、若葉を食害している毛虫と蟻のツーショットは撮ることが出来た。共生関係の無い複数の種類の生物が至近にいるカットはなかなかチャンスがないのだ。
「エンドファイト」なる言葉がある。「内生菌」などの「共生関係」等々を言う言葉だそうだが、人間にとって必要不可欠の領域もあるし弊害をもたらす領域もあるのだそうだ。昔に読んだ本の中に「体内に寄生虫が生息しなくなってから現代人のアレルギー反応は激しくなった」とあった。
近年、技術の確立が進んだ「野菜工場」での「水耕栽培法」や「シート栽培法」などはエンドファイトを伴わない栽培法なのだろうが「美味しい・清潔・多毛作」などのメリットばかりが伝えられる。
素朴な疑問だけど「エンドファイト」を伴わない生命活動なんて長期的視点で肯定できる内容なのだろうか。ミクロの中のマクロを思うと「単純化して断定する」のは落ち着かない。