トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

山の彼方の空遠く

2010-05-30 | 性向有毒の翁なれば

Photo『月を無駄思い付きゆえ重い付け』

『県外を果たせず御席はもう圏外』

『危地の害遠くの島と思いたり』

『ヤマトンチュー県外だいとそっぽ向き』

『君子さえ基を努めず補佐も無し』


羽化とおせんぼ

2010-05-30 | 感じるままの回り道

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 棚田で畦の補強をするため田に入ろうとしたら水面に波紋が見えた。その中心にはトンボが浮いていたのだが…。

 羽化して間もなく水面に落ちたようだ。全体に体色は薄いし尾が少々ふっくらしている。まだ体液を羽に送りすんでいない時期のようだ。そーと救い上げて葦に止まらせてあげたのだが肝心の羽は濡れてベッタリしている。

 トンボは自分で羽ばたいたら、水は切れたようでくっついていた羽は4枚に分離できた。「ヤレヤレ」と思いながら作業をしていたのだが、昼を食べていたときに思い出して見に行った。

 同じところに止まって尾も少しスリムになった様子をみたらホッとしたのだが、飛び立った様子で「駄目だった」とすぐに理解できた。トンボの飛翔の仕方ではなく「カゲロウ」のそれに近い飛び方だったから。

 草むらに落ちたのでよくよく観察したら右の後羽の後部が半分ほど折れて前に曲がったままだった。これでは敏捷には飛行できないし、空中で餌を摂る事も不可能な事態だ。

 哺乳類の出産時と同じように羽化する時はトラブルが多いのは知っていたが、二日続けて出会ってしまった。しかもこのトンボは手入れをしている棚田産なのだ。

 「羽化登仙」という四字熟語があるけど「羽化とおせんぼ」と一字違いで、その差は天国と地獄だ。今日も自然界の厳しさをトンボ一匹からまざまざと見せ付けられてしまったのだ。

 30日は「ハルゼミ」の初鳴きを聞く。いつもはもっと早かったように思うのだが…。