急に涼しくなったが、暑い時期に森の中にいたハグロトンボは見かけなくなった。セミの声もツバメの姿も既に無い。
今日はイトトンボを複数見かけたのだが、この時期のイトトンボは記憶に無いので意外だった。トンボたちにしてみれば、当たりまえのサイクルなのかどうか知る良しも無いけれど、春の頃に見るイトトンボより小型だ。
同種か異種かは不明だけれど、はかなげと言うべきか弱弱しいというべきか、その飛翔の姿は「秋」の寂しさに合う。アカトンボは記憶に連なる感傷を引き出すが、一義的には「陽」のイメージである。今日のイトトンボは「もののあわれ」そのものだった。
陽を受けたアカトンボは躍動感そのものだが、斜め陽を受けていたイトトンボは動きからして「息絶え絶え」だ。春の頃のイトトンボも、スイスイと飛翔しないが印象は全く別なのが不思議だ。