季節は「小寒」になった。日没の頃になると陽射しが長くなったのが判る。寒さ本番はこれからだけれど、陽射しが長くなったのを感じるのは嬉しいことである。
今日も最低気温は氷点下だった。原は一面真っ白で、小麦粉を振りかけたように見える。スイーツ好きの人なら「粉砂糖を振りかけた」と表現したくなる景色になった。霜を被っている花菜やスイバの葉は凍みて色が変わっているが、陽射しが回って霜が解けると、いつもの緑に回復する。
山の端からの陽射しが一番に届くあたりの植物は、既に春モードに入っている。ヨモギなどはその代表格で、すでに摘み草できる位になって枯れ葉の間から萌え出しているのだ。これが市街地の水田地帯の畦道の植生だと、もっと春めいていて、こちらは心が躍る萌え方だ。
春の七草を野生の摘み菜で調達してみたいと思うのだが、思うだけで例年パック入りの七草で済ましているのが少々情けない。とは言え、帰省していた子どもたちもそれぞれの場所に戻りひっそりとした日々になった。暦は「小寒」だけど、感覚的には「傷閑」である。