擁壁で隔てられた斜面からは通年絞り水が滴っている。この水は擁壁の切れ目から林道に流れ出ていた捨て水だったのだが、擁壁の水抜き穴に誘導すれば泥水地へ流せる事が判ったから、絞り水の流路を変更し水抜きパイプの裏側を掘り下げて導水した。
この水量は毎分1?で、林道を流れ下ってきた水と合わせ毎分2.4?を止水域へ給水できた。毎分2?としても1時間で120リットル、24時間では2880リットルとなる。チョボチョボ水だけれど通年を通して給水できるから、1日2tを越える水は泥水地のカラカラ乾燥化を防ぐことに役立つはずである。これで最低限のお湿りは必須の、小さい生物の生存率が上がるはずだ。
でもその一方では、厳冬期に於ける林道の氷結材料を断ってしまった訳だから、小さい子ども達のお滑りの機会を奪ってしまった事になる。これについては「知らぬ顔の半兵衛」を決め込む心算だけれど、「あちらを立てればこちらが立たず」の場面では最終的には命が優先する。