泥水池の4枚目、たかだか二坪ばかりの水面がコナギとミズキンバイに覆われてしまった。ここのミズキンバイは、先日に除草した一枚目より繁茂が早かったのだが、その分食害されて茎だけになっている。食べつくしたのはヨトウムシだった。納得する。
しかしコナギだけでも一輪車山盛り3杯もあった。稲刈り鎌で水底から刈り取る心算だったが、泥土で軟らかかったから引き抜いて除草できた。しかし真夏日の直射の下、四つ這いでの作業はきつい。少年時代の田の草取りを思い出す。
回転除草機もあったが、主力は手取りだった。顔面を保護する網目の面を着け、背には日除けのゴザを背負って一日中、田の中を這い回っていた。「きつい仕事」の代名詞みたいに言われるけれど、早苗を渡ってくる風や、田の中の生物で退屈はしなかった。
ここは田んぼではないが、トンボやクモに餌を生産していた稲も穂を垂れてきた。「稔るほど頭を垂れる稲穂かな」と言うけれど、「絞るほど汗の滴る除草かな」が実感。「たった二坪息も絶え絶え」が後句。