
手抜き除草が完璧と理解していても量が多すぎる。その上、この棚田は「セルカリア皮膚炎」感染の実績がある。手抜き除草で水中に皮膚を晒していたくない。そこで造林鎌で株元を薙ぎ払い除草する事にした。
やり始めて散乱する茎葉の始末に思い至った。「これでは集草持ち出しが大変!」。そこで造林鎌で縦に筋目をを入れ根茎部の下部泥中をスライスしてみた。これで芝生の剥ぎ取りのように根茎ごと取りだせる。
三本鍬を打ち込み根塊ごと引きはがす。大きさはブロックの三分の二程度だ。重量は増大したが根茎部の泥土ごと法面に積み上げれば泥浚いの役割も果たせ堤を太らせる事になり引き上げられた泥土は少しは役に立つはずだ。その結果は手間暇大仕事になってしまった。
連日の真夏日、猛暑日同然が三日もあったし100㎡をブロック三分の二、0.0375㎡づつ掘り取ると2666回鍬を打ち込まねばならない。その前に造林鎌で豆腐を切るように筋目を入れないと削ぎはがすのに苦労する。
この後、田んぼの中の根塊を肉盛りしたい畔まで運び集積する作業がある。そんな作業を1時間も行うとズボンや首のタオルまでぐっしょりと濡れそぼる。一日2時間ほど作業して1~2坪程度の処理能力だった。ようやく8日目にして「あと一日」と確信が持てた。


