トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

冷凍焼き牡蠣

2019-09-02 | 何よりの楽しみ
 冷凍の焼き牡蠣300gを頂いた。「真夏に牡蠣など食べるもんではない」と通り一遍の常識でしか知らない小生だし、そもそも牡蠣など「加熱用」のパック詰めを冬に1回か2回程度しか食さない食材なのである。
 まだ子育てに追いまくられていた当時、しめ鯖でアニサキスに感染し体重をゲッソリと落としてしまった事で「海のミルク」と承知していた牡蠣を一生懸命に食べて回復を図ろうとしたのが運の尽きで、今度はA型肝炎に感染し3カ月も休業する羽目になった。それ以来牡蠣は鬼門扱いなのであった。
 今でも記憶している事は診断時に被疑者の生産地を医者に伝えたところ「感染症情報に出ています。汚染地です。」と言われた一言。「そんなの売るのか」と恨めしかった。

 それなのに暑さひとしおの今日日、冷凍だったとはいえ焼き牡蠣を頂いて「さてどうした物か・・・。」と一旦は廃棄しようかなどと思ってみたのだった。それを廃棄せずに調理したのは「もったいない」に尽きる。頂き物で無ければ「焼き牡蠣」など口に入る訳も無いのだ。
 食中毒の心配もしながら表示を見ると「9月末日」が消費期限になっている。解凍しては無かったからそこに命を預けて調理してみた。「焼き牡蠣」なのだが「加熱して食す」となっている。

 時期が時期だけに「佃煮風」で調理する事に決めた。参考にレシピも開く事もせず、全てはヤマ勘の味付けだ。普段は山間にいる小生であるから間違いなし。なんたって部活で3年間食頭を全うした小生である。
 濃縮出汁に醤油と砂糖、御酢と七味唐辛子を加え濃厚な煮汁を用意した。味見は指を突っ込んで舐めるだけである。この中に解凍した焼き牡蠣を加えトコトコと煮立てた。冬の生ガキのように煮立て過ぎると固く小さくなるかと思っていたものの、それほど縮まなかったし固くもならなかった。
 かえって歯切れが良く味も染み意外と「美味しかった」のだった。半分は夕食で残りは翌日にまわした。この際、一期一会だろうから夕食で全て食しても良かったのだが、やはり「食中毒」の三文字が脳裏にあって恐る恐る半分食したのだった。
 美味しく調理できても普段使い慣れていない食材など楽しめる訳も無い、とつくづく思った次第。暑さ厳しいおりでも冷汗もんだった。

 この牡蠣だけでなくこの頃Yさんから食材を頂く機会が増えた。「お金がかかるだろうに」と聞いてみたら驚きの「無料」なのだという。種明かしはいわゆる「催眠商法」の店舗に連日立ち寄り「健康食材」の講義を1時間ほど拝聴すれば手に入るのだという。その中で希望者に分け与えられる餌を承知でもらい契約や購入をせず帰って来るとの事。Yさんの性格気質なら逞しく出来る態度だと感心した次第。他の人達ではそうはいかないはずだ。
 その臨時店舗は二週間ほどで姿を消したそうで、現在は頂き物は入ってこない。